ビッグホスピタル特集 - 慶應義塾大学病院

ビッグホスピタル特集

慶應義塾大学病院

次の100年を視野に、
新しい医療と切れ目のない看護を創っていきます。

Top Interview

  • 加藤 恵里子

    看護部長
    加藤 恵里子(かとう・えりこ)

    1988年慶應義塾大学医学部付属厚生女子学院卒業、1997年東洋大学教育学科卒業、2018年より慶應義塾大学病院看護部長・認定看護管理者

  • 北川 雄光

    病院長
    北川 雄光(きたがわ・ゆうこう)

    1986年慶應義塾大学医学部卒業、2007年より慶應義塾大学教授(医学部外科学)、2017年より慶應義塾大学病院長・慶應義塾大学理事

全国の私立医科大学病院でも慶應義塾大学病院の看護師の経験年数はトップレベル。それは、先進医療を実践しつつ、看護師がキャリア形成できる環境と働きやすさを兼ね備えた病院でもある一つの証ともいえます。これからの医療を創り支えていく存在として、新人看護師が学ぶ意欲を持って一緒に成長していけるよう、教育体制も整えています。

高度医療の中で自ら考え行動するチームの要として

 2020年、慶應病院は開院100年を迎えました。2018年には新病院棟もオープンし、患者さんに優しく、スタッフにとっても働きやすい環境が整いました。
 当院には、大学病院として、また臨床研究中核拠点病院やがんゲノム医療中核拠点病院として、未来の医療を創っていくという使命があります。もちろん看護部も、次の100年に向けて力を発揮していかなければならないと思っています。その思いは「私たちは『、患者を尊重し、患者のQOLを高める看護実践』を通して、大学病院の社会的役割遂行に協働します」という看護部の理念にも込められています。
 100年を期に看護部の基本方針を整理しました。高度医療の中で、チームで切れ目のない看護を提供することを第一に、そのために必要な、自ら考え行動できる看護師を育成すること。また、それを実現できるよう、お互いの看護観を認め共に成長できる環境を築くというものです。それぞれが何を大切にしているのか、チームの中でお互いを認め合って、患者さんにとって何がベストなのか を一緒に考え、育っていけたらと考えています。
 今、医療は大変な状況ですが、どんな状況においても、看護師は患者さんにもっとも近い存在として、その重要性は再認識され、期待も高まっています。「自分たちが新しいものを創っていくというマインドで、看護師のみなさんとも、職種を超えてより良い医療を創っていきたい」。これは北川病院長も常々言っていることで、当院において看護師はチームの大切な要として捉えられています。

自律したジェネラリストを育てる一人ひとりの習熟度や経験に応じた教育プログラム

 教育理念としては、「自律したジェネラリスト・ナースの育成」を掲げています。高い倫理観を持ち、患者さんのニーズを考え行動する力を高めていくことが、とても重要だと考えています。
 新人指導体制は、OJTに重きを置き、現場で学べる仕組みづくりを行ってきました。プリセプターシップはもちろんのこと、主任・副主任とは別に臨床指導ナースを各病棟に1名配置し、新人看護師が誰に声をかけたらいいのかが分かりやすく、層の厚い指導体制を準備しています。
 当院は1996年から、独自のキャリアラダーを開発し、早期からキャリア開発に取り組んできました。成長を階段状ではなく、膨らみのイメージで捉える慶應看護独自の「発達モデル」の最大の特徴は、一人ひとりの経験や習熟度に応じて学べる点です。年次によって教育プログラムが決められているのではなく、発達レベルに応じて様々な研修プログラムが用意されています。
 レベルⅢ以上になると進学休職制度を利用し、専門看護師や認定看護師を目指すこともできます。ジェネラリストの基盤をつくってから専門性を身につけることで、チームや組織の中でより力を発揮できるようになると考えています。

自分の潜在能力を信じて前向きに粘り強く一緒に育っていける環境

粘土細工

娘が作ってくれた粘土細工は、戴帽式の写真、東京マラソンのメダルとともに、お守りのような存在です。

 私は、2人の子育てをしながら、ここで看護師のキャリアを積んできました。その過程で大切にしてきたのは、「やれること」と「やりたいこと」、「やるべきこと」のバランスを保つこと。なんでも自分で抱え込まずに、人に頼める時はお願いし、何かに集中すべき時にはとことん取り組んできました。また、「向き不向きよりも前向き」ということも、モットーにしています。若い看護師のみなさんにも伝えていますが、「向いていないのでは」と悩む前に、とにかくもう少しやってみることが大事ではと思います。看護は、継続的な粘り強い関わりによって意味がみえて次につながります。自分では気づかない潜在能力が必ずあるはずです。それが開花していく経験をしながら、自分のキャリアを選び取っていってほしいと願います。
 新型コロナウイルスの影響で、学生のみなさんの生活にもいろいろな変化があったと思います。当院では、他院に先駆けて、インターンシップなどのオンライン化を行って発信してきました。変化に対応できる基盤が、多職種によって支えられています。今後も状況に応じて教育体制は変更していきます。最前線で最新の医療を経験できる場で自分の看護実践力を高めたいという方にはぜひチャレンジしていただきたいと思います。患者中心の看護を提供することを通じて一緒に育っていきましょう。