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ビッグホスピタル特集

東京女子医科大学

一人ひとりの可能性を大切にしながら
全人的ヒューマンケアの担い手を育てます。

Top Interview

統括看護部長
川野 良子(かわの・よしこ)

東京女子医科大学看護短期大学卒業後、1975年東京女子医科大学病院脳神経センターICUに入職、その後、看護学学士取得。神経精神科、総合外来センター建築準備室で看護管理経験を経て、2003年4月看護部長に就任。2013年8月統括看護部長に就任

東京女子医科大学病院は、大学の理念でもある「至誠と愛」の精神のもと、臓器別、センター制による高度な先進医療を提供しています。看護部では、すべての患者さんに本当に必要とされている、心のこもった手厚いケアができるよう、高度な専門性とともに豊かな人間性を育む独自の教育制度や、資格システムを設けています。

患者さんが自分の家族や身近な人だったらと考えることが「至誠と愛」の実践

 東京女子医科大学の看護理念は「『至誠と愛』の精神のもとに、高度・先進医療を提供する医療機関にふさわしい人間性と能力を身につけ、患者さんに満足される看護を提供する」というものです。ここにある「至誠と愛」とは、本学の創立者が生涯座右の銘としていた信念です。「至誠と愛」に基づく看護とは、わかりやすく言えば、すべての患者さんに対して「自分の両親や兄弟姉妹、友人だったらこうしてあげたい」と考え、感じながら接することです。
 看護部では、看護の基本でもあるそうした心のこもった手厚いベッドサイドケアを実践できるよう、看護師として、そして一人の人間として成長していけるシステムや環境づくりに努めています。
 「院内教育研修」においても、「全人的ヒューマンケアの担い手となる看護師」の育成を掲げています。「実践」「マネジメント」「教育指導」「倫理」「研究」「対人関係」「キャリア」の七つを柱とし、それぞれに関連した姿勢や考え方、知識・技術を身につけていきます。
 カリキュラムは、経験年数ごとではなくレベルIからIVまで4段階の「クリニカルラダー」別に組み立てられています。看護師の成長速度は人それぞれです。そのため、成長度合いに応じて、必要なときに必要なことが学べるシステムを設けているのです。

院内教育だけでなく、生涯にわたり専門職を育てる学習環境と本学独自の院内認定制度

 一方、高度先進医療を提供する大学病院として、専門性の高い看護実践者の育成にも力を入れています。専門分野における知識・技術を追求して指導や研究に取り組む「認定看護師」「専門看護師」に加え、本学独自の「エキスパートナース」を設けているのが大きな特長です。
 エキスパートナースは、認定看護師制度、専門看護師制度に先駆けて1992年に導入されており、臨床経験8年目以上で選考試験に合格した看護師に与えられる称号です。看護部長の直属で「がん看護」「小児看護」「遺伝看護」「HIV・エイズ看護」など多数の専門分野のロールモデルとなり、看護実践を行います。
 また、本学には「看護職キャリア開発支援部門」が設けられており、私が部門長を兼任しています。そこでは大学看護学部と協働し、キャリアシステムの構築を目指しています。さまざまな専門領域のエキスパートナースや認定看護師、専門看護師が連携を図り、看護チームがより専門性を発揮できるよう、実践・教育・研究の各側面から研修を行っています。
 少子高齢化が進む中、看護師を目指す方々は日本の医療の未来を支える宝だと思っています。本学には看護師として成長したいという志を持つ人が、全国から集まってきます。私たちは、そうした方たち一人ひとりの可能性を大切にし、全力で成長をサポートしています。そして、彼ら彼女らには将来、高い看護の能力と看護の「心」を持ったリーダーとして、全国の病院で活躍してほしいと考えています。それが教育機関としての大学病院の使命なのですから。

「ハチャメチャ」といいながらもチャンスを与え、育ててくれた上司に感謝

 私自身のこれまでのキャリアを振り返ると、どうも私は周りから見ると、少し変わった看護師だったようです(笑)。当時の看護師長から「ハチャメチャな看護師」だとして、よく呆れられました。それでも、その看護師長は私の良いところを伸ばしてくださり、いろいろなチャンスを与えてくれました。
 新しく設けられた教育担当者に抜擢されたり、総合外来センターの建築準備室に配属されたりしました。看護の現場を離れたときには戸惑いもありました。ですが、現場の他にもさまざまな経験をすることが自分の成長に結びついてきたのだということが、今になってわかります。本当に当時の部長や師長、先輩方には感謝しています。
 自分自身「ハチャメチャ」と思われていたこともあり、私は破天荒な人に好感を持ちます。そうした人はエネルギーがあり、人とは違うアイデアを持っていることが多い。そうした個性豊かな人材を育てていきたいですね。変化の激しい医療界で最善の看護を実践するためには、出る杭を伸ばす教育が必要なのです。

初めの3カ月間は看護という仕事の面白さを知ってもらいたい

 私には「自分自身のケアができてはじめて他者のケアができる」という持論があります。そのため本学の新人には入職後3カ月間は、自らの生活の基盤づくりを重視してもらっています。
 本学の新人には毎年、地方出身者が7、8割ほどいます。彼ら彼女らのほとんどは上京してまだ生活も安定しないまま入職し、慣れない仕事に忙殺されることになります。その精神的負担を減らしたいと思い、最初の3カ月間は課題や宿題を出さないこと、そして定時で帰宅させることにしました。はじめの3カ月では「仕事のつらさ」よりも「看護の面白さ」を知ってもらいたいのです。
 看護師を長く続けていくためには、何か一つでも「楽しみ」をつくることが大事です。まずは1日に一つ。そしてそれより少しだけ大きな「1週間に一つ」の楽しみをつくり、「1か月に一つ」「1年に一つ」とだんだん楽しみを大きくしていく。それを繰り返していくことが、自分らしい看護をすることにつながっていくのだと思います。