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ビッグホスピタル特集

日本大学医学部附属板橋病院

自信と誇りを持てる看護師に。
心をひとつにし、「JHOSジェイホス>)」な看護をめざします。

Top Interview

副病院長・看護部長
縣 美恵子(あがた・みえこ)

1980年日本大学医学部附属板橋病院に入職。一般病棟、集中治療室、救命救急センターに勤務。副看護部長(業務・安全担当)を経て、2016年には看護部長、副病院長に就任。在職期間中に東洋大学社会学部社会学科卒業、日本大学大学院グローバルビジネス研究科ヘルス&ソーシャルケアコース修了(MBA取得)

全国から集まった約1,000名もの看護師が、心をひとつにし、看護のポリシーを共有するための合い言葉が「JHOS」。「J」=自信、「H」=誇り、「O」=思いやり、「S」=信頼の頭文字をとった言葉です。当院では、これら4つを大切にした看護を実践できる看護師を育成しています。

大規模病院にもかかわらずフレンドリーな雰囲気が伝統となっている職場

 看護部長に就任した際、全国から当院に集まった看護師が心をひとつにするには、私たちがめざす看護を一言で表せるような合い言葉が必要だと思いました。そこで考え出したのが「JHOS」です。私の造語ですが、もとになった4つの言葉――自信、誇り、思いやり、信頼は、「当院でどんな看護をめざしたいか」を師長たちと話し合って導き出したものです。看護専門職として自信と誇りを持ち、思いやりのある看護を実践することで患者さんとの信頼関係を深めるべく、定めました。
 当院は、看護師だけでも1,000名を超える大規模病院ですが、職場の雰囲気はフレンドリーです。それは長い歴史の中で、先輩方がつくりあげてくれた無形の財産。お互いに親近感を持てれば、コミュニケーションも取りやすくなります。専門職としてのプライドは持ってほしいと思いますが、独善的なプライドは捨て、相手を尊重してフレンドリーに接することが大切でしょう。先輩や上司も、後輩に悩みや弱い部分を見せ、「助けてほしい、協力してほしい」と素直に伝えられる雰囲気があれば、仕事は円滑にまわっていくのではないでしょうか。

シナリオ研修を通じて応用力を引き出し自信と誇りを持たせる

 新人教育の中で、特に成果を上げているのが、当院ならではの「シナリオ研修」です。この研修の目的は、看護学校で学んだ知識や、現場で応用できる力を引き出すこと。病棟と同じようにベッドや医療機器のそろった部屋で、人形や、時には看護師が務める患者役に対し、実際に自分で考えて話しかけ、動き、なぜそうしたのかの理由を説明してもらいます。たとえば、2名の患者さんを同時に看なければならないケースで、どちらを優先するか。個々の症状についての知識はあっても、どちらが急を要するのかは、現場の経験がなければ判断できません。そのポイントを教え、自分で考える力と、自分の言葉で話す力をつけるのもシナリオ研修のねらうところです。
 これまで多くの新人看護師が「学生時代に学んだ知識が現場で役に立たない」と悩み、自己を否定してしまう姿を見てきました。けれども、シナリオ研修で、学んだ知識を生かせる経験をすると、自信と誇りを持てるようになります。
 新人10名に対して4名で指導する少人数制の研修ですので、相当な時間と人員を割いていますが、集合教育だけでは得られない実践的な力が身につけられるので、高いモチベーションを持ってもらえ、看護師の定着にもつながっています。

在職中に大学で学びマネジメントに役立った社会学や経営学

 私が看護師のキャリアを積む中で、転機となった出来事がいくつかあります。
 そのひとつが、ある少女との出会いでした。彼女は看護師になりたかったのですが中学生のときに亡くなりました。最後に会ったとき、自分の死期を悟っていたのか、「私は看護師になれないかもしれないな」とつぶやき、私に「看護師さんはカッコいいよ。看護師さんになれたことが、どれだけ幸せかわかってね」と言うのです。その言葉を聞き、衝撃を受けました。当時の私は入職5年目で、やっと患者さんから信頼されるようになってきたころでした。でも、ひとり目の子どもが生まれたばかりで、2人目を授かったら仕事を辞めようと思っていたのです。もし彼女の言葉がなかったら、現在の私はいなかったでしょう。
 それから数年後、リーダーとして自信をつけはじめていた私が、打ちのめされる出来事がありました。救命救急センターの主任を任されていたとき、ある看護師が、私の下では働けないと病院を辞めてしまったのです。振り返ると、自分に余裕がなかったばかりに、スタッフの気持ちも思いやれず、話を聞くどころか、誰からも声をかけられないよう壁をつくっていました。「完璧を求められても私には無理です」と言った彼女の言葉は今も忘れられません。
 それが契機になって、「人」について勉強したいと思い、大学の社会学部へ入学。勤務後の時間を使って4年間通いました。仕事で疲れていても通いつづけられたのは、学んだことが現場で役立つことがうれしかったからです。集団心理を学ぶと、現場で対立している2名の看護師が「なぜ対立したのか、どう対処すべきか」がわかるようになっていきました。人の心理を考えてマネジメントができるようになったのは、あのときの失敗のおかげと思っています。
 副看護部長になり、病院の経営にたずさわるようになってからは、大学院で経営学修士(MBA)を取得しました。経営学を学んだことで、看護師1,000名のそれぞれが何に重きを置くかというキャリアアンカーに注目すれば、各人の適材適所を見つけ、組織を効果的に動かすことができると知りました。たとえば認定看護師や専門看護師になりたい人には挑戦できる道を用意し、ジェネラリストとして働きたい人には患者さんと接点の多いパートを任せる。このようにして、看護師が自分に合った選択肢を選べるような環境を整備しています。
 看護師は、患者さんに「ありがとう」と言ってもらえて、初めてやり甲斐を感じられるもの。そのためには、自信や誇りを持てるように勉強しなければなりませんし、失敗も糧になるでしょう。当院でJHOSな看護をめざし、経験を積んで、ひとりでも多くの方に「看護師になって良かった」という思いを体感してほしいですね。