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注目の認定看護師&専門看護師特集

認定看護師 がん化学療法看護

CASE05 大阪大学医学部附属病院 荒木 啓子 さん(血液腫瘍内科)

荒木 啓子 さん

四年制大学の文系学部を卒業後、看護専門学校へ。学校の講義で講師を務めた大阪大学医学部附属病院の看護部長(当時)が熱く語ってくれたプライマリー・ナーシング制(患者の入院から退院までひとりの看護師が担当する制度)の話に感動。1997年、同病院に入職。消化器外科でがん患者の看護にかかわり、以来、自ら希望してがん看護に携わってきた。2011年、がん化学療法認定看護師資格を取得。

大阪大学医学部附属病院

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「オンコロジーセンター棟」の新設に期待

 2015年、大阪大学医学部附属病院はがん診療の新たな中心拠点として「オンコロジーセンター棟(地上5階地下1階建)」を新設する。このことを誰よりも喜んでいる一人が、がん化学療法認定看護師・荒木啓子さんだろう。「リクライニングチェアは40個設置予定で、がんの外来化学療法の施設としては関西最大規模ですし、今よりも多くの通院患者さんをフォローアップできる」と期待に胸を膨らませている。

進むべき看護の道として化学療法の可能性に気づく

 入職以来、希望してがん看護に携わってきた荒木さん。転機は血液腫瘍内科への異動だった。
 「当初は緩和ケアに目が向いていたのです。ところが、血液腫瘍内科に来て、ある抗がん剤を投与された患者さんのしこりがみるみる小さくなっていくのを目の当たりにして、化学療法の可能性に気づきました」。こうして、自分の進むべき看護の道を見つけた荒木さん。コツコツと一人始めた化学療法の勉強だったが、いつの間にか認定看護師認定にまで到達した。
 医療の世界の中でもがん化学療法の進歩は際立っている。毎月のように新しい抗がん剤が生まれ、当然、看護師にも副作用などの知識修得が求められる。しかし、その専門性の高さゆえに、一般的な看護師がそれを理解するのは容易ではないという。「情報そのものはインターネットなどを通して誰でも入手できるのですが、薬剤師でないかぎりわからないでしょう。私も認定看護師になるまでは理解できませんでした」。実践、指導、相談とがん化学療法ほど、認定看護師がその力を発揮できる分野はない。オンコロジーセンター棟が開設されれば、荒木さんの力はさらに必要とされるだろう。

認定看護師の役目を果たすには病院内での信頼があってこそ

 荒木さんが認定看護師になったのは2011 年。認定看護師を目指す決断をしてから少し時間がかかってしまったという。それは当時の直属の上司でもある師長のアドバイスだった。
 「当時の私はまだまだ実績不足で、十分に周りから信頼を得ていない人間がちょっと勉強して、資格を取って戻ってきても、誰も聞いてくれないよ、とアドバイスをもらいました。本当にそうだと思いました」
 何を言うかよりも、誰が言うかのほうが、人は影響を受けるということを学んだと荒木さんは言う。こうして、新人教育や部署の問題解決などに取り組みながら、それまで以上に日常の業務に力を注いでいったという。半年間の研修に行って、どんなに必死に勉強して認定看護師の資格を取っても、得た知識だけでは、実践、指導、相談のいずれの役目も果たせない。それを活かし、患者さんに理想の看護を届けるには、「チームなり、組織の中で、まずは信頼される存在になることが大事」と荒木さんは話す。
 最後に荒木さんから認定看護師を目指す学生へのもうひとつのアドバイス。
 「やりたい分野の看護があって、専門性を高めるために認定看護師や専門看護師を目指すのは素晴らしいことだと思います。ただ、あまり早く、自分の道を絞り込み、可能性を限定してしまわないでください。私も、がん化学療法と出会うまで入職から10 年かかりました。でも、がん看護に対するそれまでの暗中模索があったから、今の私がいると思っています」