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注目の認定看護師&専門看護師特集

専門看護師 老人看護

CASE03 順天堂大学医学部附属 順天堂東京江東高齢者医療センター 佐藤 典子 さん(看護部教育課長 老人看護専門看護師)

佐藤 典子 さん

順天堂看護専門学校第一看護学科卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院に入職。小児科病棟勤務の後、神奈川県内の大学病院で脳外科、千葉県内の大学病院で救急を経験。ケアマネジャーとして2年間勤務の後、2002年順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターに入職。2007年認知症看護認定看護師資格取得。2013年老人看護専門看護師資格取得。

順天堂大学医学部附属 順天堂東京江東高齢者医療センター

高齢者への理解を深めていくことが老人看護の基本

患者さんの真の状態を看護スタッフとともに見極める

 高齢者医療を重点的に行っている同院において、佐藤さんは、患者さんやご家族、看護師の相談役を務めるほか教育課長として病棟や外来に頻繁に足を運び活動している。そこで、患者さんやご家族についてスタッフとともに話し合い、自分一人の考えではなく、いろいろな考えの中から患者さん・ご家族の本当の状態に近づいていく。
 「患者さんの笑顔だけでなく何かに没頭する姿も大切にする。そういった患者さんの状態を現場スタッフと見極めていくことで、患者さんが真に希望する看護に近づけるのかなと思います」

看護師としての自分を成長させてくれる高齢者看護

 佐藤さんは、いろいろな病棟で看護を実践する中で在宅での生活状況を知ることの大切さを感じ、地域に出ることを決意してケアマネジャーに転職。そこで一人暮らしの認知症の方と出会い、高齢者看護の知識・技術向上の必要性を感じ、認知症病棟のある同院で看護師への復職を果たした。その後、通常勤務をこなしながら、認知症看護認定看護師、老人看護専門看護師の資格を取得。高齢者への理解を深めていくことが老人看護の基本であり、「高齢者看護は私自身を成長させてくれる看護です」と言う。
 「年を重ねると、加齢現象による身心の変化、病気による生活変化、家族との別れ、終末期などいろいろなことが起こります。その中で看護が必要となったとき、その人の生活を含めた背景にあるものを考えることが大切であると思います。そして、病気などさまざまなことを抱えながらも高齢者が希望する生活ができるように、さまざまな職種と協働し、その希望を叶えるための看護をする必要があります」

高齢者の希望を叶えるために、外に向けて発信することが重要

 佐藤さんが同院に勤務した当時は、認知症はまだ痴呆と言われていた時代。外へ出て行ってしまったり、家族に手をあげてしまうような症状にどう対応していったらいいのか、ケアの方法を医師や介護士、薬剤師等と手探りで培っていった。その中で患者さんの症状だけを見るのではなく、患者さんに何が起こっているのかを考える大切さを学び、認知症看護認定看護師の資格を取得。その後、退院後の在宅療養の相談など高齢者全般のケアを担当するようになり、老人看護専門看護師の資格取得を決意する。
 資格取得のため、順天堂大学大学院医療看護学研究科高齢者看護分野(専門看護師養成コース)を受験。通常勤務をこなしながら夜間課程に通い、週2回だけ午後に半休をとり昼の課程を受講する、そんな生活を2年間続けて専門看護師の資格を取得した。
 専門看護師となり、高齢者の身体構造から老人介護の国際的な知見まで学術的な視野が広がるとともに、病院で実践している高齢者看護を、地域や他の病院など外に向けて発信していくことの重要性を実感しているという。認知症看護では、患者さんにとっては当然のことを理解したうえでの看護が求められると佐藤さんは語る。
 「ある病棟に非常ベルを押す患者さんがいました。行動を観察すると患者さんの目の前に“押す”というボタンがありました。そのボタンを見えないようにすると非常ベルは鳴らなくなりました。患者さんは、ただ“押す”と書かれているから素直に押していただけ。患者さんを混乱させる環境に気づいていなかったのは、私たちのほうだったんです」