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注目の認定看護師&専門看護師特集

認定看護師 がん放射線療法看護

CASE14 多根総合病院 島田 千暁 さん (放射線治療科 一般外来主任)

島田 千暁 さん

民間病院に3年勤務した後、大学病院で5年勤務。2011年多根総合病院に放射線治療科が新設されると同時に入職する。2013年7月にがん放射線療法看護認定看護師を取得した。

多根総合病院

定期的な面談を通して不安の軽減や副作用をサポート

患者さんとの定期的な面談で不安を軽減する

 2011年に多根総合病院に新設された放射線治療科。この立ち上げにもかかわった島田さんが放射線治療に興味を持ったのは、かつての病院で偶然、放射線治療科に配属になったことからだ。
 「当時の放射線治療科は、看護師が積極的に患者さんにかかわることはありませんでした。訴えのある人には声をかけて介入しますが、それ以外の多くの人は、そのまま治療が終わっていたんです。そのため、放射線治療科には、患者さんが安心して治療を受けられるような看護師の存在が必要だと感じました」
 そこで、多根総合病院に移ったことをきっかけに、全国的にはまだ始まっていなかった放射線治療科での治療中の定期的な看護師面談をスタートさせた。治療開始前の面談では、専用の説明室で放射線治療の意思決定支援や治療中の過ごし方、副作用が出たときの対応などを1時間近くかけて丁寧に説明し、治療中は定期的に患者さんの体調や副作用の出現状況を確認する面談を行っている。「約7割は外来患者さんなので、副作用が出た時などは、自宅で、ご自身やご家族に対処していただかなければなりません。放射線という漠然としたイメージに対する不安や、副作用に対するサポートが、看護師の大切な役割だと思っています」
 2014年4月からは診療報酬の改定で、不安の軽減を目的とした面談を認定看護師が行った場合、診療報酬がつくようになった。
 「2週間に1度のペースで患者さんと面談し、患者さんの状態を把握しています。認定看護師が現場にいて、サポート体制のあることが患者さんやご家族の安心感につながれば、と考えています」

学会発表で米国の学会でも賞を受ける

 学会での発表も積極的に行っている島田さんは2013年、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)で発表を行い、銀賞を受賞した。多くの医師も発表した中での、看護師の銀賞受賞は非常に栄誉あることだという。
 「当院では前立腺がんの患者さんが多いため、前立腺に照射する場合、患者さんに前処置として治療前に膀胱に尿をためて放射線治療を受けることを指導しています。しかし、尿をためることに対し、患者さんからは苦痛の訴えが多かったんです。そこで看護師として膀胱尿量の再現性という観点から、治療開始前の至適膀胱体積について調べたいと思いました。ドクターが学会発表に協力的で、サポートを受けられたことは恵まれていましたし、技師さんたちの協力もなければできない研究でした」
 2014年にはドクターの薦めもあって、米国放射線腫瘍学会にも挑戦、ポスター発表を行い、看護師の賞(Nurse Abstract Award)を受賞した。
 「この年は想像以上に貴重な経験ができました。これらを通して、放射線治療看護の必要性や認定看護師としての役割、多根総合病院の放射線治療看護の取り組みについて知ってもらえたのは、本当によかったと思っています。通常業務に加えて、研究を行うのは大変でしたが、とても良い経験ができたと思っています」
 放射線治療について勉強することは大好きだという島田さん。しかし知識だけではだめだということも痛感しているという。
 「認定看護師になるために、研修中にはさまざまな苦悩や困難を経験しました。しかし、同時に多くのことを学ぶこともできました。認定看護師の資格を持つと他の看護師への指導においても影響力が違います。放射線治療看護の発展には認定看護師の存在は不可欠。もし放射線治療に興味があるなら、ぜひ挑戦してほしいと思います」