注目の認定看護師&専門看護師特集
認定看護師 慢性呼吸器疾患看護護

2004年に関西看護専門学校を卒業後、さくら療育園(重症心身障害児施設)に3年間勤務。その後、大阪府済生会千里病院に入職。2014年に慢性呼吸器疾患看護認定看護師の資格を取得。
患者さんの生活に目を向け、信頼関係を構築していく

看護師として働く中で「何か専門性を磨きたい」と考え、長期研修受講支援制度を活用して慢性呼吸器疾患看護認定看護師資格を取得した岩村俊彦さん。主に実習指導や院内での教育に携わるほか、入院中の患者さんの呼吸状態管理を行う呼吸器ケアサポートチームに所属し、患者さんを支えている。
「医師や臨床工学技士、理学療法士と連携を取り病院全体の呼吸器ケアの充実、向上を目指しています。呼吸器疾患の患者さんは主に抑うつ状態や大きな不安を抱えて生活をしていると言われています。そのため患者さんの思いを受け止めながらお話を聴き、信頼関係を構築しています。今までどういった生活をしてきたのか患者さんの生活背景を捉えたうえで、ご本人や介護をされるご家族の考えを伺い、看護方針を決めるように心がけています」
新しい分野の認定看護師に興味を持ってもらう努力を
慢性呼吸器疾患看護は12年に認定看護師の分野に承認されたこともあり、まだまだ認知度は低いと言われている。そのため岩村さんは、多くの看護師に興味を持ってもらうため勉強会を行っているという。
「呼吸器の分野は取り組んでいる人が少ないため、認定看護師の交流会を全国規模で行うなど、もっとこの分野を拡大していきたいと考えています。院内でも年に6回勉強会を行い、徐々に興味を持つ方が増え、呼吸器疾患看護が楽しいと言う意見が聞こえてくるようになりました。人に何かを伝えると言うことは、誰よりもその分野の知識を高める努力をしなければいけません。学会や勉強会に参加し、その知識を後輩に繋ぐと共に、患者さんに提供していくことが一番大切なのかなと思います」
自ら成長できる環境で、患者さんに看護で貢献を
主にCOPDを中心とした慢性呼吸器疾患患者の安定期、終末期などに起こりうる問題解決に向けた援助を行っている岩村さん。大阪府済生会千里病院に保有されている、気管挿管をせずにマスク装着で呼吸を補助するNPPV(人工呼吸器)を使用することも少なくないと話す。
「状況によって使い分けますが、NPPVは侵襲が少なく、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を保ちながら人工呼吸器管理が出来ます。NPPVのような専門機器の扱いについて、院内で勉強会などを開くこともあります」
地域の中核病院に貢献し、地域の医療機関との連携を図る地域医療連絡室なども充実。岩村さん自身も慢性呼吸器疾患看護認定看護師として、地域に寄り添い、明るい看護を患者さんに提供することが大切だという。
「当院は地域支援病院なので、患者さんと接するのは入院期間がメインとなります。しかし呼吸器疾患の患者さんは入退院を繰り返すという特徴があるので、再入院されたときには必ずお部屋に伺うようにしています。当院の特徴として、自ら成長することを目標としている看護師が多く、患者さんの悩みや、苦しみを少しでも和らげるために日々努力を重ねています。僕も仲間達と切磋琢磨し、より患者さんに貢献できる看護師として成長していきたいです」