注目の認定看護師&専門看護師特集 - 地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立急性期・総合医療センター

注目の認定看護師&専門看護師特集

認定看護師 手術看護

CASE10 地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立急性期・総合医療センター 近藤 葉子 さん (中央手術室)

近藤 葉子 さん

看護系短期大学卒業後、1994年に大阪府立急性期・総合医療センターの前身である大阪府立病院に入職。同病院で勤務経験のある短大の恩師が「府立病院は教育に熱心だよ」と勧めてくれたという。手術室の配属となり、以来、手術看護一筋。2003年、第一期生として手術看護認定看護師に。研修期間中、苦楽を共にした一期生の仲間とは今も頻繁に連絡を取り合うなど、「素晴らしい人たちと出会えたことが、なによりも人生の収穫だった」という。

地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立急性期・総合医療センター

自分の一言が、患者さんの救いになる…手術看護を極めてみたい!

患者さんと接する、わずかでも、特別な時間

 大阪府立急性期・総合医療センターは診療科数も多く、近藤葉子さんのように入職から20年近く、中央手術室で手術看護一筋にやってきたナースは数少ない。認定看護師を目指した理由は「手術看護の道を極めてみよう」と思ったからだという。手術看護師が患者と接する時間はわずかだ。手術中は麻酔で患者の意識はなく、術前・術後の訪問で顔を合わせる30分程度が、唯一、患者と言葉を交わせる時間といえる。
 「それでも、退院してから、わざわざ挨拶に来てくれる患者さんが多いんです。たった30分程度ですが、患者さんにとっては、緊張や不安で特別な時間なのだなあと思います。私が何気なく言った一言で、救われた患者さんもいたのかなと思ったときに、もっと勉強してみたくなりました」。こうして、近藤さんは手術看護認定看護師の第一期生となった。

知識と経験が求められる手術看護師の仕事

 手術看護認定看護師の仕事は、ほぼ手術室内での活動になる。実践が大部分を占めるが、手術室の後輩ナースへの指導のほか、病棟のナースからの相談も少なくない。
 「患者さんの股関節の可動域が少なくて、手術の際に必要な体位が保てないなどはよくあるケースで、問診程度ではドクターもチェックしきれません。診療科によって、手術の際に使う消毒薬も違ってきます。これらはほんの一例で、手術室に入るまでには、こうした細かい手順がいろいろと必要で、そうしたことまで把握するのは大変です。それを少しでも看護師たちに伝えていくのが、私の仕事でしょう」
 認定看護師になって12年、近藤さんの手術看護を極めようとする意欲はまだまだ膨らむばかりだ。

認定看護師への挑戦、思い立ったら行動してください!

 「大阪府立急性期・総合医療センターは、手術看護師にとっても働きやすい環境だと思います」と近藤さんは言う。その理由は、「診療科間に垣根がない」からだ。
 「たとえば、口に入れたチューブのせいで手術中に患者さんの歯がぐらつき始めたら、すぐに歯科の先生が来てくれたりします。また、最先端医療と言われている『TAVI 経カテーテル大動脈弁留置術』が当院でも始まったのですが、そのハートチームと組んでも、すぐにチームワークを発揮することができました。将来、手術看護にかかわってみたいという人がいたら、こうした病院の環境はとても重要なポイントになると思いますよ」
 大阪府立急性期・総合医療センターは、教育・研修制度が充実していることでも評価が高いが、大阪府立病院時代から続く風通しの良い職場風土も魅力的だ。
 最後に近藤さんから、将来、認定看護師を目指してみたいという人へのアドバイス。
 「私が認定看護師の研修に行った当時はまだ遠方にしか研修機関がなかったため、約半年、病院は休職しました。研修が終わって病院に戻れば、本来なら認定看護師として本格的に活動を開始するところなのですが、結婚、出産、子育てを同じ時期に経験したため、病院にはいろいろと配慮していただきました。女性の場合は、ライフサイクルによって働き方がある程度制限されるのは仕方ありません。認定看護師になるため勉強するチャンスが、タイミング的に制限されることもあるでしょう。次のチャンスは10年後…ということにもなりかねません。思い立ったら、ぜひ行動してください」