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注目の認定看護師&専門看護師特集

認定看護師 緩和ケア

CASE04 大阪労災病院 松延 さゆり さん(メディカルサポートセンター所属)

松延 さゆり さん

大阪労災看護専門学校を卒業後、大阪労災病院に入職。消化器外科に7年間所属し、がん看護に携わる。その後、消化器内科と婦人科の混合病棟に所属。2009年に認定看護師資格を取得後、メディカルサポートセンターのがん相談員を務める。

大阪労災病院

患者さんに最も近い存在である看護師だからできるケアを

患者さんの生活全般に目を向ける看護を

 松延さんは、入職以来がん看護に携わり、2009年に緩和ケア認定看護師の資格を取得。現在は、メディカルサポートセンターのがん相談員を務め、緩和ケアのスキルを生かし、がんに対するあらゆる不安や悩みに応えている。
 緩和ケアの認定看護師は、終末期にかかわる看護師だと思われがちだが、急性期病院で働く松延さんは「急性期だからこそ緩和ケアの認定看護師が力を発揮できる場面がたくさんあります」と話す。緩和ケアは、終末期だけでなく、がんと診断されたときからスタートし、治療のプロセスのなかで感じる苦痛全般を対象にケアを行う。その苦痛はトータルペインといって、社会的な不安から自分の存在意義を問うスピリチュアルなものまで、さまざまな辛さが互いに関連し合い、痛みとしてあらわれる。人は不思議な生き物で、気持ちが和らぐと、身体の苦痛を感じなくなることがある。
 「薬で痛みが緩和しなかった患者さんが、家族と旅行した時、薬を服用しなくても苦痛を感じなくて済んだことがありました。医療者はどうしても薬に目を向けがちですが、患者さんがどんな場所で、どんな人と一緒に過ごすことが幸せなのかを考え、そうした幸せな生活へ導いてあげることも大切です。そして、それを行えるのが緩和ケアの認定看護師だと思っています」
 患者さんに最も近い存在である看護師だから、患者さんの思いを聴いてあげることができる。松延さんは、そのことを大切に、心の声を“聴く”コミュニケーションを心掛けている。
 「患者さんにほっとしてもらえるような存在になり、少しでも幸せを提供できるようになっていきたいです」

人生に寄り添うことを、もっと真剣に考えていきたい

 がん看護に長く携わってきた松延さんは、末期がんの患者さんや再発転移した患者さんの看護も何度も経験してきた。そのなかで、松延さんは「看護師として誰かの人生の最後に立ち合うとは、どういうことなのだろうか」と考えるようになったという。
 「人生の最後に立ち合うのはとても辛いことなので、医療者であってもどうしてもその場から足を遠のけてしまいそうになります。でも、人生の最後をもっと大事にしてあげなければならないと思ったのです。そして、それに向き合うためには、もっと知識やスキルが必要だと感じ、認定看護師を目指そうと決めました」

医療者から市民までを対象に、緩和ケアへの理解を広める活動も

 松延さんは、緩和ケアチームの一員としても活動している。
 「多職種と積極的にかかわり、チームをコーディネートするのも緩和ケア認定看護師の役割です」と松延さん。患者さんの声を聴き、適切なケアを行うためには、その声を他職種の医療者にうまく代弁しなければならない。一方で、チームメンバーのモチベーションを高め、気持ちよく働けるように声かけを行うことも重要だ。チームが上手く機能すれば、より良いケアが可能になる。
 また、松延さんは、緩和ケアの普及にも力を入れている。スタッフ教育の企画を提案できる看護部の制度を利用し、がん看護の講演シリーズにおいて緩和ケアの回を企画するなど、病院全体のケアレベルの向上に尽力。さらに市民フォーラムの開催や情報ツールの作成など、市民に向けた情報発信にも積極的だ。
 「一般の方々が病気についてもっと知識を持ってくだされば、医療が変ってくると思います」と力強く語る。