注目の認定看護師&専門看護師特集
認定看護師 乳がん看護

専門学校を卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター集中治療室に5年間勤務。その後循環器病棟に2年、手術室に1年勤務。また看護専門学校で4年間教員を務め、現在の部署に。2012年に乳がん看護認定看護師資格を取得。
治療に伴う悩みや不安を取り除く

2012年に乳がん看護認定看護の資格を取得した西山恵理さんは、認定看護師のみならず、泌尿器科・乳腺外科・消化器内科・腎臓内科の4科で構成される病棟の看護師長としても活躍している。
「元々はICUや循環器の病棟に勤めていたので、現在の病棟に移動になる前は、がんの患者さんにかかわる機会が多くありませんでした。最初は治療や看護において戸惑う事が多く、大変でしたが、同時期に病棟に来た乳腺外科専門の医師の影響もあり、私も乳がん看護についてもっと学びたいと思うようになりました。また、乳がん看護認定看護師になることで、乳がんや、他のがん患者さんにより良い看護を提供できると思い資格を取得しました」
乳がんの治療法は手術での摘出や、放射線治療があげられるが、西山さんの所属する病棟では主に手術を受ける患者さんへの看護を行っている。患者さんはある程度覚悟を決めて入院してくるというが、治療に伴う後遺症やリハビリに関する悩みを抱えている方が多くその不安に寄り添い軽減できるようにかかわることが大切だという。
「患者さんの情報は外来の看護師と共有していますが、新たな気持ちで患者さんのお話を伺い、接するようにしています。患者さん一人ひとり背景も考え方も違うので、その方が大切にしていることを私達も大事にしたいと思っています。ここに入院してよかったと患者さんに言ってもらえるような病棟にしていきたいですね」
患者さんに寄り添える環境作り
看護師長として、4科の病床管理やスタッフのキャリア支援など多くの仕事を日々こなしている西山さん。乳がん看護認定看護師として病棟スタッフへの指導も欠かさず行い、看護師一人ひとりが患者さんと信頼関係を築くことができるように、さまざまな指導を行っている。
「病棟の看護師は、手術前後しか患者さんに接する機会がないので、患者さんが病気を発症してからの経過など、十分に理解出来ていないこともあります。手術前後にどのような治療が行われるのか、どのような困難が訪れるのかなど詳しく説明をし、看護師が患者さんに寄り添える環境作りを心がけています」
日赤和歌山医療センターは、救急看護や集中ケアに力を入れていることから、多くの認定・専門看護師が在籍している。西山さんはがん患者への看護の質を向上させたいと考えており、病棟のスタッフと力を合わせ、日々努力を重ねているという。また、一人でも多くのスタッフに乳がん、がん看護について知ってもらうため、院内の研修会にも力を入れていると話す。
「2014 年度はリンパ浮腫の予防指導や乳がん検査や検査に伴う看護、化学療法・放射線治療、家族や子供とのかかわりについて勉強会の機会をもちました。院内のスタッフ向けとは別に、病院主宰で行っている患者さん向けの勉強会でもお話しする機会をいただいています。近いうちに乳がん看護認定看護師が増える予定なので、自分達が主体となって患者さん向けの小さな勉強会も開きたいと考えています。この先も乳がん看護認定看護師として質の高い看護を提供できるように、頑張っていきたいですね」