【2011年度(第101回) 午後 第61問-第120問】 過去問・解答

看護師国家試験 過去問題

2011年度(第101回)午後 第61問〜第120問看護師国家試験 過去問・解答

61 問 〜 第 75
  • 第 61 問
    介護保険制度の開始後、認定者数の増加が最も著しいのはどれか。
    1. 1.要支援(2006年度からは要支援1と要支援2)
    2. 2.要介護2
    3. 3.要介護4
    4. 4.要介護5
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  • 第 62 問
    加齢によるホルモンの基礎分泌量の変化で正しいのはどれか。
    1. 1.メラトニンは増加する。
    2. 2.コルチゾルは変化しない。
    3. 3.成長ホルモンは変化しない。
    4. 4.副甲状腺ホルモンは減少する。
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  • 第 63 問
    高齢者の疾患の特徴として正しいのはどれか。
    1. 1.ADLへの影響は少ない。
    2. 2.症状の出現は定型的である。
    3. 3.環境からの影響を受けにくい。
    4. 4.複数の臓器に障害が生じやすい。
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  • 第 64 問
    Aさん(78歳、女性)は、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し入院治療した後、回復期リハビリテーション病棟に転棟した。担当の理学療法士は、Aさんは早く自宅に帰りたいと熱心に歩行練習をしていると話していた。転棟後、1週を経過したころから、Aさんは疲労感を訴えて病室で臥床していることが多くなった。理学療法後の血圧と脈拍とに変動はみられない。肝機能と腎機能とに異常はない。
    Aさん、看護師および担当の理学療法士で検討する内容として最も適切なのはどれか。
    1. 1.運動強度の軽減
    2. 2.家事動作練習の追加
    3. 3.翌日の理学療法の中止
    4. 4.病棟での歩行回数の増加
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  • 第 65 問
    Mini-Mental State Examination〈MMSE〉の説明で正しいのはどれか。
    1. 1.情緒状態を調べる。
    2. 2.確定診断に用いられる。
    3. 3.得点が低いほど機能が低い。
    4. 4.被検者の日常の行動を評価する。
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  • 第 66 問
    高齢者に多くみられる疾患とその症状および所見の組合せで正しいのはどれか。
    1. 1.頸椎症(cervical spondylosis) ──── 頸部腫脹
    2. 2.白内障(cataract) ──── 視野欠損
    3. 3.萎縮性腟炎(atrophic vaginitis) ──── 子宮脱出
    4. 4.胃食道逆流症(gastro-esophageal reflux disease) ──── 胸やけ
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  • 第 67 問
    介護保険におけるサービスの説明で正しいのはどれか。
    1. 1.通所介護では機能訓練を行うことができない。
    2. 2.通所介護を行う事業所には医師の配置が必須である。
    3. 3.通所リハビリテーションでは個別の理学療法が提供される。
    4. 4.通所リハビリテーションの利用に介護保険は適用されない。
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  • 第 68 問
    子どもの成長・発達における臨界期について正しいのはどれか。
    1. 1.諸機能の獲得・成熟を決定づける時期
    2. 2.遺伝的因子による影響が発現しやすい時期
    3. 3.成長・発達のスピードが緩やかになる時期
    4. 4.発達検査において通過率が90 %となる時期
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  • 第 69 問
    2歳6か月の幼児で正常な発達と判断されるのはどれか。
    1. 1.前後上下の空間認識ができる。
    2. 2.手掌全体で2cm角の積み木をつかむ。
    3. 3.2〜3か月前から二語文を話している。
    4. 4.半年前から手を引かなくても歩けるようになった。
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  • 第 70 問
    Aちゃん(4歳)は、風邪で小児科外来を受診した。診察を待っている間、母親から看護師に「昼間は自分でトイレに行けるようになったのに、まだおねしょをするのですが大丈夫でしょうか」と相談があった。
    看護師の対応で適切なのはどれか。
    1. 1.「今は心配ないのでもう少し様子をみましょう」
    2. 2.「夜中に1度起こしておしっこを促してください」
    3. 3.「2時間おきにトイレに行く習慣をつけましょう」
    4. 4.「小児専門の泌尿器科を受診した方がよいでしょう」
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  • 第 71 問
    乳児が成人に比べ脱水になりやすい理由で正しいのはどれか。
    1. 1.尿細管での水の再吸収能力が低い。
    2. 2.体重当たりの基礎代謝量が少ない。
    3. 3.体重に占める体水分量の割合が低い。
    4. 4.体液における細胞内液の割合が高い。
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  • 第 72 問
    女性の生殖機能について正しいのはどれか。
    1. 1.子宮内膜は排卵後に増殖期となる。
    2. 2.黄体期の基礎体温は低温期となる。
    3. 3.エストロゲンは卵巣から分泌される。
    4. 4.排卵された卵子の受精能は約72時間である。
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  • 第 73 問
    妊娠38週の妊婦。胎位は第2頭位である。胎児心音の聴取部位を図に示す。
    最も適切な聴取部位はどれか。
    1. 1.1
    2. 2.2
    3. 3.3
    4. 4.4
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  • 第 74 問
    適時破水はどれか。
    1. 1.分娩開始以前に卵膜が破綻(はたん)したもの。
    2. 2.分娩開始直後に破水するもの。
    3. 3.子宮口5cm開大のころに破水するもの。
    4. 4.子宮口全開大のころに破水するもの。
    解答を見る 解答:4
  • 第 75 問
    Aちゃんは、在胎32週、体重 1,800 gで出生した。 Apgar〈アプガー〉スコアは 1分後8点、5分後9点であった。出生後 30分、体温 36.7 ℃、心拍数 150 /分、呼吸数70 /分である。保育器に収容されている。
    出生から 24時間の看護として適切なのはどれか。
    1. 1.衣類を着せて保温する。
    2. 2.面会時に母親に抱っこを促す。
    3. 3.心拍・呼吸を持続モニタリングする。
    4. 4.出生6時間後から経口栄養を開始する。
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76 問 〜 第 90
  • 第 76 問
    精神障害者の施設症(institutionalism)の予防策として、最も適切なのはどれか。
    1. 1.隔離室の使用を避ける。
    2. 2.病棟の規則を厳密に決める。
    3. 3.病棟行事はスタッフが企画する。
    4. 4.地域住民との交流の機会を増やす。
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  • 第 77 問
    Aさん(24歳、女性)は、 2か月前に交通事故で受傷した。それ以来、事故の夢をみたり、事故の様子が突然よみがえるようになり、怖くて仕事が手につかないと訴えている。
    最も考えられる障害はどれか。
    1. 1.パニック障害(panic disorder)
    2. 2.急性ストレス障害(acute stress disorder)
    3. 3.外傷後ストレス障害〈PTSD〉(post-traumatic stress disorder)
    4. 4.境界性人格〈パーソナリティ〉障害(borderline personality disorder)
    解答を見る 解答:3
  • 第 78 問
    精神科病棟に入院しているAさんの服薬管理は、看護師が行っている。
    入院中の服薬を自己管理に移行できるかを判断する際に、看護師が情報収集する項目として優先度が高いのはどれか。
    1. 1.入院形態
    2. 2.入院期間
    3. 3.退院後の同居者の有無
    4. 4.副作用の生活への影響
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  • 第 79 問
    抗体を産生するのはどれか。
    1. 1.顆粒球
    2. 2.T細胞
    3. 3.NK細胞
    4. 4.形質細胞
    5. 5.マクロファージ
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  • 第 80 問
    血栓が存在することによって脳塞栓症(cerebral embolism)を引き起こす可能性があるのはどれか。
    1. 1.右心室
    2. 2.左心房
    3. 3.腎動脈
    4. 4.上大静脈
    5. 5.大腿静脈
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  • 第 81 問
    呼吸性アシドーシスをきたすのはどれか。
    1. 1.飢餓
    2. 2.過換気
    3. 3.敗血症(sepsis)
    4. 4.CO2ナルコーシス
    5. 5.乳酸アシドーシス
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  • 第 82 問
    慢性腎不全(chronic renal failure)で正しいのはどれか。
    1. 1.高蛋白食が必要である。
    2. 2.高カルシウム血症(hypercalcemia)となる。
    3. 3.最も多い原因は腎硬化症(nephrosclerosis)である。
    4. 4.糸球体濾過値〈GFR〉は正常である。
    5. 5.代謝性アシドーシスを起こしやすい。
    解答を見る 解答:5
  • 第 83 問
    人工乳と比べた母乳栄養の利点で誤っているのはどれか。
    1. 1.消化吸収しやすい。
    2. 2.感染防御作用がある。
    3. 3.母子相互作用を高める。
    4. 4.ビタミンK含有量が多い。
    5. 5.アレルギーを生じる可能性が低い。
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  • 第 84 問
    妊娠中の食事について適切なのはどれか。
    1. 1.鉄の付加量は授乳期よりも少ない。
    2. 2.塩分摂取量は10 g/日を目標とする。
    3. 3.葉酸は妊娠初期の摂取が重要である。
    4. 4.エネルギーは妊娠中期の付加量が最も多い。
    5. 5.カルシウムは20歳代女性の平均摂取量の約3倍の摂取が望ましい。
    解答を見る 解答:3
  • 第 85 問
    閉じた質問〈closed question〉はどれか。2つ選べ
    1. 1.「乳癌(breast cancer)と告げられたとき、どのように思いましたか」
    2. 2.「ご家族に高血圧症(hypertension)の方はいらっしゃいますか」
    3. 3.「何時に食事を摂(と)りましたか」
    4. 4.「どのようにつらいのですか」
    5. 5.「退院後は何をしたいですか」
    解答を見る 解答:23
  • 第 86 問
    在宅療養者に初回訪問を行う際の訪問看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ
    1. 1.療養者と契約書を取り交わす。
    2. 2.緊急時の連絡方法を確認する。
    3. 3.初回訪問前の情報収集は行わない。
    4. 4.病院で指導された介護方法は変更しない。
    5. 5.初回訪問日は療養者に医療的な問題が起きてから決める。
    解答を見る 解答:12
  • 第 87 問
    終末期の癌患者の在宅ケアで正しいのはどれか。2つ選べ
    1. 1.家族の悲嘆のケアも含まれる。
    2. 2.訪問看護は介護保険の適用である。
    3. 3.夜間・休日を含めた連絡体制を整える。
    4. 4.ADLが自立している患者は対象とならない。
    5. 5.主治医は在宅療養支援診療所の医師に限られる。
    解答を見る 解答:13
  • 第 88 問
    入院中の患者がベッド上で心肺停止状態となっていた。
    発見した看護師が1人の場合、対応で適切なのはどれか。2つ選べ
    1. 1.家族に連絡する。
    2. 2.医師を呼びに行く。
    3. 3.AEDを取りに行く。
    4. 4.胸骨圧迫を開始する。
    5. 5.ナースコールでスタッフを呼ぶ。
    解答を見る 解答:45
  • 第 89 問
    思考の障害はどれか。2つ選べ
    1. 1.妄想
    2. 2.幻聴
    3. 3.昏迷
    4. 4.連合弛緩
    5. 5.抑うつ気分
    解答を見る 解答:14
  • 第 90 問
    精神障害者保健福祉手帳について正しいのはどれか。2つ選べ
    1. 1.交付を受けた者の写真は添付しない。
    2. 2.交付を受けた者は、住民税の控除が受けられる。
    3. 3.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で規定されている。
    4. 4.交付を受けた者の公共交通機関運賃の割引は、全国一律で適用される。
    5. 5.交付を受けた者は、精神障害の状態についての認定を毎年受ける必要がある。
    解答を見る 解答:23
91 問 〜 第 105
  • 次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
    Aさん(52歳、女性)は、未婚で1人暮らしである。近くに親戚はいない。物が握りにくい、細かい作業ができないという症状があり、精密検査のため入院したところ、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉(amyotrophic lateral sclerosis )と診断された。

    • 第 91 問
      Aさんは、球麻痺症状はなく、上肢の運動障害があるが、歩行は自立している。退院調整看護師が病室で面談したところ「これからどのようになっていくのか分からない」と不安そうに訴えた。Aさんは在宅サービスの必要性を感じていなかったが、退院調整看護師は訪問看護の利用を勧め、Aさんは同意した。訪問看護に依頼する内容で、優先度が高いのはどれか。
      1. 1.入浴の介助
      2. 2.疾病受容の支援
      3. 3.呼吸機能の評価
      4. 4.上肢のリハビリテーション
      解答を見る 解答:2
    • 第 92 問
      退院後6か月が経過した。Aさんは、上肢の運動障害に加え、ろれつが回らない、言葉が出にくいといった球麻痺症状が出現してきた。歩行は自立している。Aさんは、介護保険の申請をし、要介護1に認定された。
      Aさんが、この時点で利用できる介護サービスで適切なのはどれか。2つ選べ
      1. 1.車椅子の貸与
      2. 2.療養通所介護
      3. 3.ホームヘルパー
      4. 4.レスパイトケア
      5. 5.意思伝達装置の給付
      解答を見る 解答:0
    • 第 93 問
      球麻痺症状が進行したため、経腸経管栄養導入を目的に入院し、胃瘻を造設した。Aさんは、自分で胃瘻管理ができる間は、自宅で療養したいと強く希望した。Aさんも同席した上で、主治医、病棟看護師、理学療法士、退院調整看護師、介護支援専門員および訪問看護師がカンファレンスを行うことになった。
      病棟看護師がカンファレンスで提供する情報として最も重要なのはどれか。
      1. 1.入院中の治療の経過
      2. 2.胃瘻管理の指導内容
      3. 3.利用可能な在宅サービス
      4. 4.リハビリテーションの状況
      解答を見る 解答:2
  • 次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
    Aさん(52歳、男性)は、 2か月で体重が7kg減少した。 2か月前から食事のつかえ感があるため受診した。検査の結果、胸部食道癌(thoracic esophageal cancer)と診断され、手術目的で入院した。

    • 第 94 問
      入院時の検査データは、Hb 9.5 g/dl、血清総蛋白 5.4 g/dl、アルブミン2.5 g/dl、 AST〈GOT〉24 I U/l、ALT〈GPT〉25 I U/l、γ-GTP 38 IU/l、尿素窒素 1 8 mg/dl、クレアチニン0.7mg/dl、プロトロンビン時間 82 %(基準 80〜120)であった。Aさんの状況で術後合併症のリスクとなるのはどれか。
      1. 1.出血傾向
      2. 2.腎機能障害
      3. 3.低栄養状態
      4. 4.肝機能障害
      解答を見る 解答:3
    • 第 95 問
      右開胸開腹胸部食道全摘術と胃を用いた食道再建術とが行われた。術後、人工呼吸器が装着され、術後2日目の朝に気管チューブを抜管し、順調に経過していたが、術後3日目に左下葉の無気肺(atelectasis)となった。Aさんは痰を喀出する際に痛そうな表情をするが「痛み止めはなるべく使いたくない。我慢できるから大丈夫」と話す。無気肺(atelectasis)を改善するために適切なのはどれか。2つ選べ
      1. 1.離床を促す。
      2. 2.胸式呼吸を勧める。
      3. 3.左側臥位を勧める。
      4. 4.鎮痛薬の使用を勧める。
      5. 5.胸腔ドレーンをクランプする。
      解答を見る 解答:14
    • 第 96 問
      その後、順調に回復し、術後3週目に退院する予定となった。退院後の食事の指導で適切なのはどれか。
      1. 1.「蛋白質を控えた食事にしてください」
      2. 2.「食事は1日3回にしてください」
      3. 3.「食事は時間をかけて食べてください」
      4. 4.「食事の前にコップ1杯の水分を摂(と)るようにしてください」
      5. 5.「食後は横になって過ごしてください」
      解答を見る 解答:3
  • 次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
    Aさん(59歳、女性)は、午前2時ころにバットで殴られたような激しい頭痛を自覚し、嘔吐した。午前4時、Aさんは、頭痛を我慢できなくなったために、家族に付き添われて救急搬送され、緊急入院した。入院時、ジャパン・コーマ・スケール 〈JCS〉Ⅰ-1、四肢の麻痺を認めない。

    • 第 97 問
      Aさんはくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)と診断された。再出血を防ぐためのケアで適切なのはどれか。
      1. 1.深呼吸を促す。
      2. 2.起坐位とする。
      3. 3.病室を薄暗くする。
      4. 4.頭部を氷枕で冷やす。
      解答を見る 解答:3
    • 第 98 問
      Aさんは、入院後に緊急開頭術を受けることになった。手術を受けるまでの看護で適切なのはどれか。
      1. 1.浣腸を行う。
      2. 2.排痰法の練習を勧める。
      3. 3.テタニー徴候を観察する。
      4. 4.不整脈(arrhythmia)の出現に注意する。
      解答を見る 解答:4
    • 第 99 問
      開頭術後24時間が経過した。JCSⅠ-2。体温 37.5 ℃。脈拍 88/分、血圧 138/84 mmHg。呼吸数18/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(酸素吸入3l/分)。脳室ドレナージが行われている。Aさんへの看護で適切なのはどれか。
      1. 1.両腋窩を冷やす。
      2. 2.酸素吸入を中止する。
      3. 3.起き上がらないように説明する。
      4. 4.痛み刺激を与えて意識レベルを確認する。
      解答を見る 解答:3
  • 次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
    Aさん(82歳、男性)は、4年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)の診断を受けた。要介護4で、1年前からグループホームで生活している。高血圧症(hypertension)に対して持続性カルシウム拮抗薬を内服している。他に治療を必要とする疾患は認められない。 1週前から夜はほとんど眠らず、居間のソファに腰かけたり、歩き回ったりする状態が続いている。昼間もベッドに横になることはない。食欲が低下してきたが、先月よりも体重は2kg増加している。

    • 第 100 問
      Aさんは廊下でうずくまっているところを発見された。肩呼吸をしており、四肢に冷感があり下肢の浮腫が強い。体温 36.1 ℃、脈拍 120/分、血圧86/50 mmHg、呼吸数40 /分であった。Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。
      1. 1.心不全(heart failure)
      2. 2.上気道感染(upper respiratory infection)
      3. 3.狭心症発作(angina pectoris)
      4. 4.閉塞性呼吸障害(obstructive respiratory disorder)
      解答を見る 解答:1
    • 第 101 問
      Aさんは直ちに救急車で病院に搬送され、治療を受けて症状は軽快した。入院後 1週が経過し、尿量が確保されていることを確認したため、入院直後から挿入していた膀胱留置カテーテルを抜去した。抜去3時間後、Aさんはグループホームの職員の名前を大声で呼び始めたため、病棟看護師が病室に行ってみると、Aさんはオムツを外して失禁していた。Aさんへの援助で適切なのはどれか。
      1. 1.鎮静薬の使用を検討する。
      2. 2.膀胱留置カテーテルを再度挿入する。
      3. 3.排尿記録をつけ排尿パターンを把握する。
      4. 4.グループホームの職員に付き添いを依頼する。
      解答を見る 解答:3
    • 第 102 問
      Aさんは症状が改善し、退院することになった。病棟看護師がグループホームの職員と家族とに指導すべき内容として最も適切なのはどれか。
      1. 1.「深呼吸を練習させてください」
      2. 2.「足のむくみを観察してください」
      3. 3.「蛋白質の少ない食事にしてください」
      4. 4.「水分を1日1,500 ml以上摂(と)らせてください」
      解答を見る 解答:2
  • 次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
    Aさん(99歳、女性)は、特別養護老人ホームに入所している。脳卒中(stroke)の後遺症で左片麻痺がある。肺炎(pneumonia)をきっかけに寝たきりになり、食事摂取量が低下した。Aさんは「私はここで最期を迎えたい。痛い思いはしたくない。死ぬときは苦しまないようにしてもらいたい」と何度も話すようになった。娘夫婦と孫とが頻繁に面会に来ている。医師が家族に回復の見込みが低いことを伝え、家族は特別養護老人ホームでの看取りに同意した。

    • 第 103 問
      Aさんは「1人で死ぬのは寂しい」と看護師に話した。看護師の対応で最も適切なのはどれか。
      1. 1.「死ぬときは苦しくないようですよ」
      2. 2.「Aさんは十分頑張ってきましたね」
      3. 3.「できるだけAさんのそばにいますよ」
      4. 4.「そんなことを言うとご家族が心配しますよ」
      解答を見る 解答:3
    • 第 104 問
      Aさんはほとんど食事を摂(と)らなくなり、尿量も減少してきた。自発的な動きが減少し、傾眠状態となった。Aさんの家族への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
      1. 1.「状態が不安定なのでケアは職員で行いますね」
      2. 2.「これからはご家族が目を離さないでくださいね」
      3. 3.「刺激せず、なるべくそっとしておいてくださいね」
      4. 4.「これからの経過について説明しますね」
      解答を見る 解答:4
    • 第 105 問
      Aさんは深い昏睡の状態になり、四肢の冷感、チアノーゼ及び下顎呼吸が出現してきた。痰は絡んでいない。医師は付き添っていた家族にAさんの死が近いことを告げた。Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
      1. 1.見守る。
      2. 2.下肢を挙上する。
      3. 3.酸素吸入をする。
      4. 4.気管内吸引をする。
      解答を見る 解答:1
106 問 〜 第 120
  • 次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
    Aちゃん(2歳10か月)は、両親と生後3か月の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、6日前に発熱および不定形の発疹が腹部と背部とに出現した。解熱薬の使用によって、体温は一時的に低下したが、再び上昇したので受診した。受診時、口唇の充血と乾燥とが著明で、眼球結膜の充血と四肢の硬性浮腫とがみられた。受診時の血液検査の結果は、CRP 15.7mg/dl、AST〈GOT〉22 I U/l、ALT〈GPT〉54 I U/lであった。Aちゃんは川崎病(Kawasaki disease)と診断され、入院した。アスピリンの内服と γ-グロブリンの点滴静脈内注射とが開始された。

    • 第 106 問
      入院時のAちゃんへの看護で適切なのはどれか。
      1. 1.歩行を禁止する。
      2. 2.高エネルギー食とする。
      3. 3.弾性包帯で下肢を圧迫する。
      4. 4.アナフィラキシー様症状に注意する。
      解答を見る 解答:4
    • 第 107 問
      Aちゃんは妹の誕生後、母親からなかなか離れないことが多くなっていたという。最近は、妹のおもちゃを取り上げ、注意されるとすねて返さないことがあった。Aちゃんは排尿は自立していたが、入院後は失敗することが多くなった。Aちゃんのアセスメントで適切なのはどれか。
      1. 1.退行現象がみられる。
      2. 2.自我同一性が確立している。
      3. 3.アタッチメントの形成が不良である。
      4. 4.感情をコントロールする能力の発達が遅れている。
      解答を見る 解答:1
    • 第 108 問
      心エコー検査で冠状動脈瘤(coronary artery aneurysm)が発見されたが、Aちゃんは元気にしており、退院することになった。Aちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。
      1. 1.走らせない。
      2. 2.塩分摂取を制限する。
      3. 3.激しく泣かせない。
      4. 4.予防接種は退院後6か月以降に行う。
      解答を見る 解答:4
  • 次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
    Aさん(25歳、初産婦)は、正常な妊娠経過で妊娠 39週5日に3,100 gの児を分娩した。分娩所要時間 16時間 30分、出血量は 300 m l。会陰切開・縫合術を受けた。

    • 第 109 問
      産褥1日。Aさんは、体温 36.8 ℃、脈拍 78/分、血圧 116/70 mmHgである。排尿後の観察では、子宮底の位置は臍下1横指、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。会陰縫合部に発赤はないが、痛みがあるため円座を使用している。Aさんは「トイレに行きたい感じがはっきりしません」と言う。観察すると膀胱充満はみられなかった。
      Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
      1. 1.「導尿しましょう」
      2. 2.「お水をたくさん飲みましょう」
      3. 3.「3、4時間ごとにトイレに行きましょう」
      4. 4.「縫合部の痛みがなくなれば感覚が戻ってくるでしょう」
      解答を見る 解答:3
    • 第 110 問
      産褥2日。Aさんは、体温 37.0 ℃、脈拍 8 4/分、血圧 120/70 mmHgである。子宮底の位置は臍下2横指、子宮は硬く触れ、血性悪露が少量みられる。乳房に熱感と緊満感とがある。授乳は1、2時間ごとに行っている。会陰縫合部に変化はないが、Aさんは「痛みがあるので座って授乳するのがつらい」と言う。この日の血液検査の結果は、Hb 12.0 g/dl、Ht 38%であった。
      Aさんのアセスメントで最も適切なのはどれか。
      1. 1.貧血がある。
      2. 2.感染徴候がある。
      3. 3.乳汁うっ滞がみられる。
      4. 4.授乳時の体位を工夫する必要がある。
      解答を見る 解答:4
    • 第 111 問
      生後3日。Aさんの児は母乳のみを哺乳している。体重 2,850 g。体温 37.3 ℃、心拍数 156 /分、呼吸数50 /分で周期性呼吸がみられる。児の全身観察では乳房の軽度腫脹がみられる。児の昨日の哺乳回数は 12回であった。排便は2回で移行便であり、排尿は4回であった。
      児の観察結果で正常を逸脱している所見はどれか。
      1. 1.排尿回数
      2. 2.体重減少率
      3. 3.乳房の腫脹
      4. 4.周期性呼吸
      解答を見る 解答:1
  • 次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
    Aさん(35歳、経産婦)は、妊娠中に妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus)と診断され、食事療法を行っていた。Aさんは、妊娠 39週3日に3,500 gの児を自然分娩した。分娩の所要時間は2時間 45分、出血量は 450 m l、第1度会陰裂傷のため縫合術を受けた。児の Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点であった。

    • 第 112 問
      生後1時間。Aさんの児は、体温 36.8 ℃、心拍数 150 /分、呼吸数56 /分である。呼吸は不規則であるが陥没呼吸や呻吟はみられない。四肢に軽度のチアノーゼがみられる。
      児への対応で最も優先すべきなのはどれか。
      1. 1.沐浴
      2. 2.血糖値の測定
      3. 3.口腔内の吸引
      4. 4.保育器への収容
      解答を見る 解答:2
    • 第 113 問
      分娩後6時間。Aさんは、体温 37.2 ℃、脈拍 64/分、血圧 126/68 mmHgである。子宮底の位置は臍高、子宮はやや軟らかく触れ、血性悪露が中等量みられる。下腹部痛はないが会陰縫合部の痛みが軽度ある。乳房に緊満はなく、乳腺開口は 2、3本である。
      このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
      1. 1.床上安静を勧める。
      2. 2.下腹部に温罨法を行う。
      3. 3.子宮底の輪状マッサージを行う。
      4. 4.乳房の自己マッサージを指導する。
      解答を見る 解答:3
    • 第 114 問
      産褥4日。Aさんの血糖は、食前 80mg/dlで、食後2時間には 110 m g/dlであった。児には2時間ごとに母乳を与えており、退院後も母乳育児を希望している。看護師はAさんから「これからはどのように血糖コントロールをしていくことになりますか」と質問された。
      Aさんへの説明で適切なのはどれか。
      1. 1.自己血糖測定を生涯継続していく必要がある。
      2. 2.インスリンによる血糖コントロールが必要になる。
      3. 3.産後6週ころにブドウ糖負荷試験を受ける必要がある。
      4. 4.必要エネルギー量は非妊時と同等である。
      解答を見る 解答:3
  • 次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
    Aさん(29歳、女性)は、20歳で短期大学を卒業するのと同時に就職したが「会社に行きたくない」と言い出して、 2か月で仕事を辞めた。その後は、自宅で何もせずに過ごしていた。昼夜逆転の生活が長く続いたが、ある日、夜遅く帰宅した父親と就職のことで激しい口論となった。それ以来、昼も夜も起きていて、食事も摂(と)らずに自室に引きこもり、ぶつぶつと独り言を言ったり、笑ったりするようになった。心配した母親に伴われて受診し、統合失調症(schizophrenia)と診断された。

    • 第 115 問
      Aさんの表情は険しく、常に周囲を警戒している。医師が入院を勧めたが、Aさんは興奮し、母親にしがみつきながら「入院はいや。家に連れて帰って」と泣き叫んだ。さらに、診察室のドアの方に走って逃げようとしたため、看護師が制止しようとすると、Aさんはその看護師を突き飛ばした。
      この看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ
      1. 1.大きな声で話しかける。
      2. 2.入院を拒否する理由を尋ねる。
      3. 3.母親に入院の説得を依頼する。
      4. 4.看護師と患者の身体の損傷に注意する。
      5. 5.患者と2人きりで話すことができる場所に移動する。
      解答を見る 解答:24
    • 第 116 問
      入院後1か月が経過し、Aさんは看護師に時々笑顔を見せるようになってきた。Aさんは「毎日が退屈」、「早く退院したい」と言うようになった。Aさんを交えたカンファレンスで、病棟で週1回行われている退院支援グループへの参加を検討した。このグループでは、対人関係や社会生活を営むのに必要なスキルの学習が行われている。
      Aさんのグループ参加の目的として、最も優先度が高いのはどれか。
      1. 1.生活リズムを整える。
      2. 2.興奮が抑えられるようになる。
      3. 3.退院後の日中の過ごし方を考える。
      4. 4.他の参加者から問題点の指摘を受ける。
      解答を見る 解答:3
    • 第 117 問
      退院支援グループに参加し始めてから1か月が経過し、Aさんはグループの他の参加メンバーとも打ち解けて話をするようになった。5回目の参加で、Aさんは「父親は、私の苦しさを分かってくれない。退院しても、また言い争いになりそう」と話した。
      グループに参加しているAさんの担当看護師の対応で、適切なのはどれか。2つ選べ
      1. 1.Aさんの気持ちを積極的に代弁する。
      2. 2.終了後、Aさんに反省点を報告してもらう。
      3. 3.Aさんの話がテーマとずれないよう介入する。
      4. 4.Aさんに父親とのやり取りのロールプレイを提案する。
      5. 5.Aさんが自分の悩みを表現したことは意義があると話す。
      解答を見る 解答:45
  • 次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
    Aさん(52歳、男性)は、妻と会社員の娘と3人で暮らしている。Aさんは2年前に職場を解雇され、再就職先を探している。以前から飲酒する機会は多かったが、解雇後は朝から酒を飲み続け、妻が止めるように言っても聞き入れなかった。Aさんは、3か月前に自宅近くの診療所でアルコール性肝硬変(alcoholic cirrhosis)と診断され、断酒を勧められたが実行できずにいた。Aさんは、妻に伴われて専門医療機関を受診し、アルコール依存症(alcohol dependence)と診断された。

    • 第 118 問
      Aさんは、自分がアルコール依存症(alcohol dependence)であることを認めず「酒を減らせば問題ない」と言って説明を聞こうとしない。
      家族への看護師の対応で適切なのはどれか。
      1. 1.Aさんの就職活動に家族が協力するように提案する。
      2. 2.Aさんの飲酒量を家族が記録しておくように指示する。
      3. 3.どのような対応がAさんの治療意欲を阻害するかについて説明する。
      4. 4.Aさんが治療を拒否している間は、家族にできることはないと伝える。
      解答を見る 解答:3
    • 第 119 問
      Aさんは黄疸がみられるようになったことをきっかけに、アルコール依存症(alcohol dependence)の治療を受けることになった。妻は、これまで1日中酒ばかり飲んでいたAさんに対する強い不満を看護師に話した。
      看護師から妻への助言で最も適切なのはどれか。
      1. 1.家にある酒類はすべて捨てるように話す。
      2. 2.Aさんの代わりに家計を支えるように話す。
      3. 3.Aさんに飲酒の害を再度伝えることを提案する。
      4. 4.家族のためのセルフヘルプグループへの参加を勧める。
      解答を見る 解答:4
    • 第 120 問
      ある受診日に、Aさんは「3か月お酒を飲まないでいましたが、昨日また飲んでしまいました」と話した。看護師は、それまで断酒を続けたAさんの努力を認めた。
      次に、看護師がAさんに話す内容で適切なのはどれか。
      1. 1.「意志を強く持たないといけません」
      2. 2.「昨日はなぜ飲みたくなったのですか」
      3. 3.「3か月頑張ったから、少しくらいは大丈夫です」
      4. 4.「家族の信頼を失うようなことをするのは止めましょう」
      解答を見る 解答:2

2011年度の看護師国家試験は、合格率90.1%、合格者数は48,400人でした。新卒の方に注目してみますと、49,336人の受験者数に対して46,928人の合格者数で合格率は95.1%でした。看護師国家試験は、出題基準の改定とともに内容は変わりますが、基本は過去問です。過去問・解答を普段からチェックする癖をつけておくと、過去問・解答の挑戦に改めて時間をとらなくても基礎力を高めることが出来るのでお勧めです。