
2020年度(第110回)午後 第61問〜第120問看護師国家試験 過去問・解答
実施日:2021年2月14日(日) 【過去問・解答】看護師国家試験 TOPへ戻る
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- 第 61 問
- 妊婦健康診査を受診する時間を確保するために妊婦が事業主に請求できることを規定している法律はどれか。
- 1.母子保健法
- 2.労働基準法
- 3.育児介護休業法
- 4.雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉
- 解答を見る 解答:4
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- 第 62 問
- アルコールを多飲する人によくみられ、意識障害、眼球運動障害および歩行障害を特徴とするのはどれか。
- 1.
肝性脳症 - 2.
ペラグラ - 3.
Wernicke〈ウェルニッケ〉脳症 - 4.
Creutzfeldt-Jakob〈クロイツフェルト・ヤコブ〉病
- 1.
- 解答を見る 解答:3
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- 第 63 問
- 精神障害者保健福祉手帳で正しいのはどれか。
- 1.
知的障害 も交付対象である。 - 2.取得すると住民税の控除対象となる。
- 3.交付によって生活保護費の支給が開始される。
- 4.疾病によって障害が永続する人が対象である。
- 1.
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- 第 64 問
- 攻撃性の高まった成人患者への対応で正しいのはどれか。
- 1.患者の正面に立つ。
- 2.アイコンタクトは避ける。
- 3.身振り手振りは少なくする。
- 4.ボディタッチを積極的に用いる。
- 解答を見る 解答:3
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- 第 65 問
- Aさん(79歳、男性)は、1人暮らし。要介護2の認定を受け、訪問看護を利用することになった。初回の訪問時、Aさんは敷いたままの布団の上に座っており「便利だから生活に必要なものを手の届くところに置いているんだよ」と話した。
Aさんの生活様式を尊重した訪問看護師のこのときの声かけで適切なのはどれか。 - 1.「外に出て気分転換しませんか」
- 2.「昼間は布団をたたみましょう」
- 3.「介護保険でベッドの貸与を受けましょう」
- 4.「必要なものを身近に置いているのですね」
- 解答を見る 解答:4
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- 第 66 問
- Aさん(69歳、女性)は、主治医、訪問看護師とともに、母(91歳)を自宅で看取った。死亡確認の直後、Aさんは涙ぐみながら「母のためにもっとできることがあったのではないかと申し訳なく思います」と話した。
このときに訪問看護師が行うAさんへの対応で最も適切なのはどれか。 - 1.遺族の会を紹介する。
- 2.母への思いを傾聴する。
- 3.遺品を整理することを勧める。
- 4.新たなことに取りかかるよう促す。
- 解答を見る 解答:2
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- 第 67 問
- Aさん(82歳、女性)は、
脳梗塞 の既往があり、要介護2で、夫(85歳)と2人暮らし。訪問看護師の訪問時、Aさんは体温37.0℃、脈拍62/分、血圧100/50mmHg、少し汗をかいており、唇の乾燥がみられた。訪問看護師は、翌日予定されている訪問介護の担当者とAさんの援助の方向性について共有することにした。
共有する内容で適切なのはどれか。 - 1.ポータブルトイレでの排泄に変更する。
- 2.水分を多めに摂取するよう促す。
- 3.頻繁に寝衣を交換する。
- 4.入浴介助を中止する。
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- 第 68 問
- 介護保険制度における地域密着型サービスはどれか。
- 1.重度訪問介護
- 2.地域活動支援事業
- 3.小規模多機能型居宅介護
- 4.特定施設入居者生活介護
- 解答を見る 解答:3
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- 第 69 問
- 成年後見制度で正しいのはどれか。
- 1.任意後見人は裁判所が決定する。
- 2.認知症の診断と同時に成年後見制度が適用される。
- 3.日常生活自立支援事業の一部として位置付けられる。
- 4.成年後見人は財産管理などの手続きを本人の代理で行う。
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- 第 70 問
- 仙骨部に皮下組織に達する褥瘡がある患者が入院となった。患者は車椅子の利用を主治医に許可されている。
この患者に対する多職種で行う褥瘡ケアにおいて、受け持ち看護師が担う役割で適切なのはどれか。 - 1.薬剤師に外用薬の処方を依頼する。
- 2.事務職員に汚染ガーゼの廃棄を依頼する。
- 3.介護職員にドレッシング材の選択を依頼する。
- 4.理学療法士と車椅子乗車時の除圧方法を検討する。
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- 第 71 問
- 災害時のトリアージで正しいのはどれか。
- 1.トリアージタッグは衣服に装着する。
- 2.治療優先度の高さはトリアージ区分のⅠ、Ⅱ、Ⅲの順である。
- 3.トリアージの判定は患者の到着時および到着後30分の2回行う。
- 4.最優先に治療を必要とする者には、黄色のトリアージタッグを装着する。
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- 第 72 問
- 国際機関と事業内容の組合せで正しいのはどれか。
- 1.国際労働機関〈ILO 〉 ── 難民の帰還支援
- 2.世界保健機関〈WHO 〉 ── 保健分野における研究の促進
- 3.国連人口基金〈UNFPA〉 ── 平和維持活動
- 4.国連世界食糧計画〈WFP〉 ── 二国間の国際保健医療協力
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- 第 73 問
- 血漿蛋白質の大部分を合成しているのはどれか。
- 1.肺
- 2.肝臓
- 3.腎臓
- 4.膵臓
- 5.脾臓
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- 第 74 問
- 胸膜腔に存在するのはどれか。
- 1.滑液
- 2.空気
- 3.血液
- 4.漿液
- 5.粘液
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- 第 75 問
- 正常な性周期である健常女性の10週間の基礎体温を図に示す。
- 直近の排卵日はどれか。
- 1.①
- 2.②
- 3.③
- 4.④
- 5.⑤
- 解答を見る 解答:4
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- 第 76 問
閉塞性動脈硬化症〈ASO〉 について正しいのはどれか。- 1.橈骨動脈に好発する。
- 2.粥状硬化が原因である。
- 3.末梢血流量が増加する。
- 4.歩行によって痛みが改善する。
- 5.中小動脈の非化膿性炎症で生じる。
- 解答を見る 解答:2
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- 第 77 問
関節リウマチ で起こる主な炎症はどれか。- 1.滑膜炎
- 2.血管炎
- 3.骨髄炎
- 4.骨軟骨炎
- 5.関節周囲炎
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- 第 78 問
- 母子保健法に基づく届出はどれか。
- 1.婚姻届
- 2.死産届
- 3.死亡届
- 4.出生届
- 5.妊娠届
- 解答を見る 解答:5
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- 第 79 問
- Aさん(44歳、男性、会社員)は、20年以上の喫煙歴があり、BMI26 である。会社の健康診断で
脂質異常症 と高血圧症 を指摘された。
Aさんが発症する危険性が高い疾患はどれか。 - 1.
1型糖尿病 - 2.
潰瘍性大腸炎 - 3.
肺血栓塞栓症 - 4.
労作性狭心症 - 5.
閉塞性血栓血管炎〈TAO〉
- 1.
- 解答を見る 解答:4
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- 第 80 問
- Aさん(48歳、男性、会社員)は、大量の飲酒の後、急激な上腹部痛と背部痛を訴え、救急外来を受診し、
急性膵炎 と診断された。
Aさんの救急外来受診時の血液検査結果で予測されるのはどれか。 - 1.血小板数の増加
- 2.血清LDH値の低下
- 3.血清γ–GTP値の低下
- 4.血清アミラーゼ値の上昇
- 5.血清カルシウム値の上昇
- 解答を見る 解答:4
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- 第 81 問
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に規定された入院形態で、精神保健指定医2名以上により、精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると診察の結果が一致した場合に適用されるのはどれか。
- 1.応急入院
- 2.措置入院
- 3.任意入院
- 4.医療保護入院
- 5.緊急措置入院
- 解答を見る 解答:2
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- 第 82 問
- 副交感神経を含む脳神経はどれか。2つ選べ。
- 1.動眼神経
- 2.三叉神経
- 3.内耳神経
- 4.迷走神経
- 5.舌下神経
- 解答を見る 解答:1、4
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- 第 83 問
- 血圧を上昇させるのはどれか。2つ選べ。
- 1.セロトニン
- 2.ヒスタミン
- 3.バソプレシン
- 4.ブラジキニン
- 5.心房性ナトリウムペプチド
- 解答を見る 解答:1、3
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- 第 84 問
- 蠕動運動がみられるのはどれか。2つ選べ。
- 1.腎動脈
- 2.腎盂
- 3.尿管
- 4.膀胱
- 5.尿道
- 解答を見る 解答:2、3
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- 第 85 問
- 炎症の4徴候に含まれるのはどれか。2つ選べ。
- 1.壊疽
- 2.腫脹
- 3.膿瘍
- 4.発赤
- 5.浮腫
- 解答を見る 解答:2、4
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- 第 86 問
肝硬変 におけるChild–Pugh〈チャイルド–ピュー〉分類の判定項目はどれか。2つ選べ。- 1.プロトロンビン時間
- 2.血清アルブミン値
- 3.血中アンモニア値
- 4.血小板数
- 5.尿酸値
- 解答を見る 解答:1、2
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- 第 87 問
- 老人福祉法に基づき老人福祉計画の策定をするのはどれか。2つ選べ。
- 1.国
- 2.市町村
- 3.都道府県
- 4.福祉事務所
- 5.後期高齢者医療広域連合
- 解答を見る 解答:2、3
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- 第 88 問
- Aさん(53歳、男性、会社員)は、数日前から耳鳴、めまい、耳閉感が出現し、
突発性難聴 と診断され入院となった。副腎皮質ステロイド薬の投与で症状が改善したため退院することになった。入院前の生活習慣は、外食2回/週、飲酒(ビール700mL)/日、睡眠6時間/日、入浴1回/日、喫煙20本/日、散歩2回/週。
退院後の生活で、Aさんが控えるべき事項はどれか。2つ選べ。 - 1.飲酒
- 2.外食
- 3.喫煙
- 4.散歩
- 5.入浴
- 解答を見る 解答:1、3
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- 第 89 問
神経性無食欲症 で正しいのはどれか。2つ選べ。- 1.過食と嘔吐を繰り返す。
- 2.腸管で吸収不全がある。
- 3.男性では性欲が亢進する。
- 4.ボディイメージの歪みがある。
- 5.第二次性徴の発現前に発症すると初経は遅れる。
- 解答を見る 解答:4、5
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- 第 90 問
- 6%の次亜塩素酸ナトリウム液を用いて0.1%次亜塩素酸ナトリウム液を1,000mL作るために必要な6%次亜塩素酸ナトリウム液の量を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
解答:① ②mL - ①0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
- ②0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
- 解答を見る 解答:①1、②7
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次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(64歳、女性、主婦)は、50歳で高血圧症 と診断され、降圧薬を服用している。栄養指導を受け、食事療法も実施している。趣味はサイクリングと海外旅行である。数か月前からサイクリング中に息苦しさやめまいを感じるようになったため、かかりつけ医から紹介された病院を受診した。外来受診時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍40/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。-
- 第 91 問
- Aさんは
完全房室ブロック が疑われた。
Aさんに行われる検査で優先されるのはどれか。 - 1.心臓超音波検査
- 2.12誘導心電図検査
- 3.心臓カテーテル検査
- 4.運動負荷心電図検査
- 解答を見る 解答:2
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- 第 92 問
- 検査の結果、Aさんは
完全房室ブロック と診断された。
今後、Aさんに起こりやすいのはどれか。 - 1.脳虚血
- 2.
肺塞栓症 - 3.
不安定狭心症 - 4.
心タンポナーデ
- 解答を見る 解答:1
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- 第 93 問
- その後、Aさんにはペースメーカー植込み術が行われ、看護師は退院後の電磁干渉について説明を行った。Aさんからは「生活の中でどのようなことに注意をすれば良いですか」と質問があった。
Aさんが最も注意する必要がある状況はどれか。 - 1.新幹線への乗車
- 2.パーソナルコンピュータの使用
- 3.電動アシスト付き自転車での移動
- 4.電子商品監視装置〈Electronic Article Surveillance:EAS〉の通過
- 解答を見る 解答:4
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次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(47歳、女性、会社員)は、夫(54歳)と2人暮らし。6か月前から月経不順になり、閉経前の症状と思い様子をみていた。しかし、徐々に普段の月経時の出血量よりも多くなり、下腹部痛が出現してきたため、病院の婦人科外来を受診した。診察後、経腟超音波検査の指示が出され、看護師はAさんに検査について説明することになった。-
- 第 94 問
- Aさんへの経腟超音波検査の説明で正しいのはどれか。
- 1.検査が終了するまで絶飲食にする。
- 2.検査前に排尿するよう促す。
- 3.検査は側臥位で行う。
- 4.検査後1 時間は安静にする。
- 解答を見る 解答:2
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- 第 95 問
- Aさんは、経腟超音波検査で異常所見が認められ、その後の精密検査で
子宮体癌 と診断されて準広汎子宮全摘出術と両側付属器(卵巣、卵管)切除術を受けた。術後の経過はよく、排尿障害もなく順調に回復していた。術後12日目のバイタルサイン測定時に「身体のほてりがあり、急に汗が出るようになったりして、夜もよく眠れません。そのためかイライラします」と看護師に訴えた。
Aさんに出現している症状の原因はどれか。 - 1.エストロゲンの減少
- 2.プロラクチンの減少
- 3.アンドロゲンの増加
- 4.オキシトシンの増加
- 4.プロゲステロンの増加
- 解答を見る 解答:1
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- 第 96 問
- Aさんはその後、順調に経過し退院した。退院後、初回の外来受診時に看護師がAさんに心配なことを尋ねると「退院のときも性生活の説明を聞きましたが、子宮がなくなって自分の身体がどう変化しているかわからないし、やっぱり性生活のことが気がかりです。夫も私の身体を気遣ってくれて、今日も一緒に病院に来てくれました」と語った。
Aさんへの性生活の説明で適切なのはどれか。 - 1.術後1年までは性行為を控える。
- 2.夫と別々に説明することを提案する。
- 3.性行為再開後は避妊を続けてもらう。
- 4.腟の乾燥に対して潤滑ゼリーを用いるとよい。
- 解答を見る 解答:4
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次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(75歳、女性)は、1人暮らし。高血圧症 の内服治療をしているが、その他に既往歴はない。認知機能は問題ない。軽度の円背があるが、日常生活動作〈ADL〉は自立している。簡単な家事は自分で行っており、家の中で過ごすことが多かった。近所に住む長女が時々、Aさんの様子を見に来ていた。
ある日、Aさんは自宅の階段を踏み外して転落し、横向きになったまま動けなくなったところを訪問してきた長女に発見され、救急車で病院に運ばれ、右大腿骨頸部骨折 と診断された。そのまま入院し、緊急手術を行うことになった。-
- 第 97 問
- 手術前オリエンテーションの際の看護師の説明内容で適切なのはどれか。
- 1.「手術はすぐに終わります」
- 2.「手術後はすぐに水を飲めます」
- 3.「手術後は両足とも動かしてはいけません」
- 4.「手術後は背中にクッションを当てます」
- 解答を見る 解答:4
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- 第 98 問
- 手術後14日。Aさんは、回復期リハビリテーション病棟のトイレ付きの個室に移動した。Aさんは歩行訓練を行っているが、立ち上がるときにバランスを崩しやすく「夜トイレに行こうとしてベッドから立ち上がるときに、ふらふらする。また転んでしまうのが怖い」と言っている。
このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。 - 1.ポータブルトイレを置く。
- 2.ベッドに移動介助バーを付ける。
- 3.ベッドの頭部側を45度挙上する。
- 4.夜間はヒッププロテクターを装着する。
- 解答を見る 解答:2
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- 第 99 問
- Aさんの退院日が決定した。看護師は、Aさんの退院前の指導を行うことになった。Aさんから「医師から骨がもろくなっていると言われました。これ以上悪くならないように何をすればよいでしょうか」と質問があった。
Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。 - 1.「体操は控えましょう」
- 2.「炭酸飲料を飲みましょう」
- 3.「果物を積極的に摂りましょう」
- 4.「日光を浴びるようにしましょう」
- 解答を見る 解答:4
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次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
Aちゃん(生後3週)は、在胎40週、3,070gで出生した。生後5日で退院し、退院時の体重は3,080gであった。完全母乳栄養である。
現病歴:5日前から嘔吐があり、次第に哺乳のたびに噴水状に嘔吐するようになった。今朝も嘔吐があり、吐物は白色である。排尿もないため家族に連れられ来院した。Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症 が疑われ入院した。
身体所見:体重3,380g、体温36.7℃。脈拍120/分、整。血圧74/52mmHg。大泉門は陥凹、皮膚のツルゴールは低下、上腹部は軽度膨隆。
検査所見:白血球9,600/μL。Na131mEq/L、K3.4mEq/L、Cl86mEq/L、CRP0.1mg/dL。-
- 第 100 問
- Aちゃんの状態のアセスメントで正しいのはどれか。
- 1.
脱水症 は軽度である。 - 2.非胆汁性嘔吐である。
- 3.炎症反応の上昇がある。
- 4.出生後の体重増加は良好である。
- 1.
- 解答を見る 解答:2
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- 第 101 問
- 検査の結果、Aちゃんは
肥厚性幽門狭窄症 と診断された。Aちゃんは直ちに絶飲食となり、経鼻胃管が留置され、持続点滴静脈内注射が開始された。担当医師と家族とが治療方針を話し合った結果、全身状態が安定したあとに手術をする方針になった。
Aちゃんの術前看護で正しいのはどれか。 - 1.浣腸を1日2回行う。
- 2.尿量の測定は不要である。
- 3.経鼻胃管は自然開放とする。
- 4.Aちゃんを抱っこすることは禁忌である。
- 解答を見る 解答:3
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- 第 102 問
- 入院後3日。Aちゃんは全身状態が安定し、全身麻酔下で腹腔鏡を用いた粘膜外幽門筋切開術(Ramstedt〈ラムステッド〉手術)を受けた。
術後の看護で適切なのはどれか。 - 1.授乳前後の排気
- 2.人工乳への変更
- 3.予防接種の計画立案
- 4.腸管の縫合不全の観察
- 解答を見る 解答:1
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次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
Aちゃん(5か月、女児)は、父親(会社員)、母親(主婦)、兄のB君(3歳)と4人家族である。近所に祖父母が住んでいる。Aちゃんは3日前から鼻汁と咳嗽があり、昨日夕方より39℃の発熱がみられ小児科外来を受診した。自宅で哺乳量の低下はなく、1日に1、2回咳嗽とともに嘔吐がみられていた。来院時、体温39.3℃、呼吸数45/分、脈拍142/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)であった。診察と検査の結果、RSウイルスによる急性細気管支炎 と診断され、去痰薬が処方された。-
- 第 103 問
- 診察後、家庭でのケアについてAちゃんの母親に指導することになった。
看護師の指導で適切なのはどれか。 - 1.「1回に飲むミルクの量を多くしてください」
- 2.「哺乳前に鼻水を器具で吸引してあげてください」
- 3.「去痰薬は、ミルクを飲んだ後に飲ませてください」
- 4.「授乳後は仰向けで寝かせてください」
- 解答を見る 解答:2
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- 第 104 問
- Aちゃんは、発熱が続き、哺乳量が減ってきたため2日後に再度来院した。来院時、体温39.4℃、呼吸数60/分、脈拍154/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)、口唇色と顔色はやや不良であった。胸部エックス線撮影で肺炎像は認められない。Aちゃんは、経口摂取不良と呼吸困難のため、母親が付き添って入院することとなった。酸素吸入と点滴静脈内注射が開始された。
入院前のAちゃんについて母親から収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。 - 1.去痰薬の内服状況
- 2.最終排尿の時間
- 3.皮膚搔痒の有無
- 4.排便の状況
- 解答を見る 解答:2
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- 第 105 問
- 入院後7日、Aちゃんは症状が軽快し、哺乳量も増加して翌日の金曜日に退院が決定した。母親は「Aはだいぶ元気になりました。でもBが泣いたり、かんしゃくをおこしたりすることが増えているようです。どうしたらいいでしょう」と看護師に相談した。入院中、土曜日、日曜日は父親がB君の世話をしており、平日は祖父母が世話をしているとのことであった。退院時、父親は休暇をとりAちゃんと母親を迎えに来る予定である。
母親への看護師の対応として適切なのはどれか。 - 1.「B君のかかりつけ医に相談しましょう」
- 2.「B君の保育所への入所を検討しましょう」
- 3.「B君に関わる時間をたっぷりとりましょう」
- 4.「お兄ちゃんだから頑張りなさいと伝えましょう」
- 解答を見る 解答:3
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次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来し、4時に入院した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断されて、11時45分の診察で子宮口が8cm開大となった。看護師が12時に昼食を配膳にいくとAさんは額に汗をかいて、側臥位で「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている。陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている。-
- 第 106 問
- Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
- 1.坐位になるよう勧める。
- 2.シャワー浴を勧める。
- 3.食事摂取を促す。
- 4.呼吸法を促す。
- 解答を見る 解答:4
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- 第 107 問
- Aさんは16時15分、3,300gの男児を経腟分娩で出産した。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点。胎盤娩出直後から凝血の混じった暗赤色の性器出血が持続している。この時点での出血量は600mL。臍高で柔らかい子宮底を触れた。脈拍90/分、血圧116/76mmHg。意識は清明。Aさんは「赤ちゃんの元気な泣き声を聞いて安心しました」と言っている。
このときの看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。 - 1.子宮底の輪状マッサージを行う。
- 2.膀胱留置カテーテルを挿入する。
- 3.水分摂取を促す。
- 4.全身清拭を行う。
- 解答を見る 解答:1
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- 第 108 問
- Aさんの分娩経過は以下のとおりであった。
2時00分 陣痛周期10分
4時00分 入院
15時00分 分娩室入室
15時30分 子宮口全開大
16時00分 自然破水
16時15分 児娩出
16時30分 胎盤娩出
Aさんの分娩所要時間はどれか。 - 1.12時間30分
- 2.14時間15分
- 3.14時間30分
- 4.16時間30分
- 解答を見る 解答:3
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次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
Aさん(32歳、男性)は、仕事上のストレスを抱えていた際に知人から誘われ、覚せい剤を常用するようになり逮捕された。保釈後、薬物依存症の治療を受けることができる精神科病院に入院し、治療プログラムに参加することになった。
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- 第 109 問
- 入院時のAさんへの看護師の対応として適切なのはどれか。
- 1.二度と使用しないと約束させる。
- 2.回復が期待できる病気であることを伝える。
- 3.使用をやめられなかったことに対する反省を促す。
- 4.自分で薬物を断ち切る強い意志を持つように伝える。
- 解答を見る 解答:2
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- 第 110 問
- 入院2週後、Aさんは病棟生活のルールを守ることができず、それを注意した看護師に対して攻撃的になることがあった。別の看護師がAさんに理由を尋ねると「指図するような話し方をされると、暴力的だった父親を思い出し、冷静でいられなくなる」と話した。
このときAさんに起こっているのはどれか。 - 1.転移
- 2.逆転移
- 3.躁的防衛
- 4.反動形成
- 解答を見る 解答:1
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- 第 111 問
- 入院後1か月、Aさんは「正直に言うと、今も覚せい剤を使いたいという気持ちがある。もし誘いがあったら、使いたい気持ちを抑えきれないだろう」と悩みを打ち明けた。
Aさんの状態のアセスメントとして適切なのはどれか。 - 1.否認
- 2.共依存
- 3.身体依存
- 4.精神依存
- 5.離脱症状
- 解答を見る 解答:4
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次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
Aさん(35歳、男性)は1人暮らし。両親は他県に住んでいる。30歳のときに双極性障害 と診断され、これまでに4回の入退院を繰り返している。給料をインターネットゲームの利用料金で度々使い果たし、それが原因で両親と何度も口論になったことがある。仕事では同僚とトラブルを起こすたびに転職を繰り返しており、今回も同僚と口論になり自ら退職した。Aさんは「前の職場の同僚に嫌がらせをしてやる」と母親に電話をかけ、心配した両親が一緒に精神科病院を受診した。診察室では多弁で大きな声を出し、椅子を蹴るなどの行為がみられた。医師の診察の結果、入院して治療することになった。-
- 第 112 問
- 入院時、AさんのBMIは29.5。この数日は食事をとっていなかった。入院後も興奮状態がおさまらず、壁に頭を打ちつけはじめたため、医師から抗精神病薬の点滴静脈内注射と身体的拘束の指示がでた。
身体的拘束中のAさんの看護で正しいのはどれか。2つ選べ。 - 1.水分摂取は最小限にする。
- 2.
肺血栓塞栓症 を予防する。 - 3.頻回に様子を見に来ることを伝える。
- 4.身体的拘束の原因となった行為を一緒に振り返る。
- 5.興奮状態が落ち着いたら看護師の判断で身体的拘束を解除する。
- 解答を見る 解答:2、3
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- 第 113 問
- 入院後1週、身体的拘束は解除された。Aさんは常に動き回り、他の患者への過干渉が続いている。食事中に立ち上がりホールから出ていこうとするため、看護師が止めると強い口調で言い返してくる。Aさんは「ゲーム関連の仕事を探したい。早く退院させろ」と1日に何度も看護師に訴えるが、主治医は退院を許可していない。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。 - 1.休息できる場所へ誘導する。
- 2.過干渉となる理由を確認する。
- 3.退院後は家族と暮らすように提案する。
- 4.仕事に必要なスキルについて話し合う。
- 解答を見る 解答:1
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- 第 114 問
※採点除外等の取扱いをした問題
【採点上の取扱い】複数の選択肢を正解として採点する。
【理由】複数の正解があるため。- 入院後2か月、Aさんの状態は落ち着き、退院に向けての準備が進められている。Aさんは、「会社で同僚と言い合いになってこれまでも仕事を変わってきた。そのたびに調子が悪くなって、何度も入院した。家族と言い合いをしたぐらいで近所から苦情があって、嫌になって引っ越した」と看護師に訴えた。
Aさんの退院に向けて連携をとる機関はどれか。 - 1.警察
- 2.保健所
- 3.保護観察所
- 4.地域活動支援センター
- 解答を見る 解答:2、4
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次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
Aさん(37歳、男性)は妻(40歳、会社員)と2人暮らし。筋強直性ジストロフィー で週5回の訪問介護を利用していた。1か月前に傾眠傾向が著明となり入院して精査した結果、睡眠時無呼吸に対して夜間のみフェイスマスクを用いた非侵襲的陽圧換気療法が導入された。Aさんは四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるが、室内の移動は電動車椅子を操作して自力で行え、食事も準備すれば妻と同じものを摂取できる。退院後、週1回午後に訪問看護が導入されることになった。-
- 第 115 問
- 訪問看護と訪問介護の担当者、Aさんと妻を含めた退院前カンファレンスが開催された。妻から「夜間に停電になったらどうすればよいですか」と発言があった。
このときの妻への訪問看護師の対応で適切なのはどれか。 - 1.電動式でない車椅子を購入するよう勧める。
- 2.訪問看護事業所が発電機を貸し出すと伝える。
- 3.バッグバルブマスクでの用手換気の指導を行う。
- 4.停電時にハザードマップを確認するよう提案する。
- 解答を見る 解答:3
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- 第 116 問
- 退院前カンファレンスで、訪問介護の担当者から、これまでと同様に退院後も昼食の準備と後始末、口腔ケア、入浴介助を行う予定と発言があった。訪問看護師は訪問介護の担当者に、Aさんの状態の変化に気付いたら連絡がほしいと協力を求めた。
訪問介護の担当者に説明するAさんの状態の変化で、特に注意が必要なのはどれか。 - 1.傾眠傾向
- 2.眼の充血
- 3.口腔内の乾燥
- 4.食事摂取量の低下
- 解答を見る 解答:1
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- 第 117 問
- 退院後1週、訪問看護師はAさんの鼻根部の皮膚に発赤があることに気付いた。
訪問看護師の妻への対応で適切なのはどれか。 - 1.「鼻マスクに変更しましょう」
- 2.「発赤部位は洗わないようにしましょう」
- 3.「人工呼吸器の装着時間は短くしましょう」
- 4.「フェイスマスクのベルトは指が2 本入る程度に固定しましょう」
- 解答を見る 解答:4
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次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞 を発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。
身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。
バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。
検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。-
- 第 118 問
- Aさんの状態をアセスメントするために、外来看護師が収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。
- 1.口渇感
- 2.呼吸音
- 3.尿比重
- 4.腹部膨満感
- 解答を見る 解答:3
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- 第 119 問
- Aさんは入院となり、点滴静脈内注射が開始された。入院当日の夜間、Aさんは「ここはどこか、家に帰る」などと言い、点滴ラインを触ったり杖を使わずにトイレに1人で行こうとしたりして落ち着かず、ほとんど眠っていなかったと夜勤の看護師から日勤の看護師に申し送りがあった。
日勤でAさんを受け持つ看護師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。 - 1.時計をAさんから見える場所に置く。
- 2.主治医にAさんの退院について相談する。
- 3.日中はAさんにスタッフステーションで過ごしてもらう。
- 4.点滴ラインがAさんの視界に入らないようにする。
- 5.日中はAさんの病室の窓のカーテンを閉めておく。
- 解答を見る 解答:1、4
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- 第 120 問
- 入院から1週が経過し、Aさんのバイタルサインなどは正常となり、食事も摂取できるようになった。Aさんの妻は「先生からそろそろ退院できるといわれましたが、夫はほとんどベッド上で過ごしており、トイレまで歩けそうにありません。これで退院できるか不安です」と看護師に話した。現在のAさんの日常生活動作〈ADL〉は、起立時にふらつきがみられ、歩行は不安定である。ポータブルトイレを使用して 排泄している。
現在のAさんの状況から、退院に向けて看護師が連携する者で適切なのはどれか。2つ選べ。 - 1.薬剤師
- 2.民生委員
- 3.管理栄養士
- 4.理学療法士
- 5.介護支援専門員
- 解答を見る 解答:4、5
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2020年度の看護師国家試験は、合格率90.4%、合格者数は59,769人でした。必修問題の合格基準は40点以上/50点、一般問題・状況設定問題の合格基準は159点以上/250点でした。看護師国家試験は、出題基準の改定とともに内容は変わりますが、基本は過去問です。過去問・解答を普段からチェックする癖をつけておくと、過去問・解答の挑戦に改めて時間をとらなくても基礎力を高めることが出来るのでお勧めです。