
2015年度(第105回)午前 第61問〜第120問看護師国家試験 過去問・解答
実施日:2016年2月14日(日) 【過去問・解答】看護師国家試験 TOPへ戻る
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- 第 61 問
- 精神保健法から精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律への改正で行われたのはどれか。
- 1.私宅監置の廃止
- 2.任意入院の新設
- 3.通院医療公費負担制度の導入
- 4.精神障害者保健福祉手帳制度の創設
- 解答を見る 解答:4
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- 第 62 問
- 介護保険被保険者で介護保険による訪問看護が提供されるのはどれか。
- 1.脳血管疾患(cerebrovascular disease)
- 2.末期の結腸癌(colon cancer)
- 3.脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)
- 4.進行性筋ジストロフィー(progressive muscular dystrophy)
- 解答を見る 解答:1
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- 第 63 問
- 訪問看護ステーションの管理・運営について正しいのはどれか。
- 1.事務所を設置する必要はない。
- 2.訪問看護の利用回数の調整は市町村が行う。
- 3.利用者が希望すれば訪問看護の記録を開示する。
- 4.利用者とのサービス契約後に重要事項を説明する。
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- 第 64 問
- 医療安全と関連する方法の組合せで誤っているのはどれか。
- 1.院内感染対策 ──── プライマリナーシング
- 2.事故防止対策 ──── インシデントレポート
- 3.医療の質の保証 ──── クリニカルパス
- 4.手術時の安全対策 ──── タイムアウト
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- 第 65 問
- 診療情報を第三者に開示する際、個人情報の保護として正しいのはどれか。
- 1.死亡した患者の情報は対象にならない。
- 2.個人情報の利用目的を特定する必要はない。
- 3.特定機能病院では本人の同意なく開示できる。
- 4.法令に基づく保健所への届出に関して本人の同意は不要である。
- 解答を見る 解答:4
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- 第 66 問
※採点除外等の取扱いをした問題
【採点上の取扱い】複数の選択肢を正解として採点する。
【理由】設問分が不明瞭で複数の選択肢が正解と考えられるため。- Aさん(75 歳、男性)は、2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)で超速効型インスリンによる治療を行っている。災害に備えてAさんに指導する必要があるのはどれか。
- 1.開封したインスリンは年間使用できる。
- 2.使用しているインスリンの名称を正確に覚える。
- 3.消毒薬の入手が難しい場合は消毒せずに注射してもよい。
- 4.平常時と同じように非常時もインスリン注射は食前に行う。
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- 第 67 問
- 国際機関と事業内容の組合せで正しいのはどれか。
- 1.国連難民高等弁務官事務所<UNHCR> ──── 有償資金協力
- 2.国連教育科学文化機関<UNESCO> ──── 児童の健康改善
- 3.世界保健機関<WHO> ──── 感染症対策
- 4.国際労働機関<ILO> ──── 平和維持活動
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- 第 68 問
- 頭部CTを図に示す。
出血部位について正しいのはどれか。 - 1.皮下組織
- 2.硬膜外腔
- 3.くも膜下腔
- 4.脳実質内
- 5.脳室内
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- 第 69 問
- 動脈硬化を直視して評価できる血管はどれか。
- 1.冠動脈
- 2.眼底動脈
- 3.大動脈
- 4.腹部大動脈
- 5.中大脳動脈
- 解答を見る 解答:2
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- 第 70 問
- 接触性皮膚炎(contact dermatitis)の原因となるアレルギー反応で正しいのはどれか。
- 1.Ⅰ 型
- 2.Ⅱ 型
- 3.Ⅲ 型
- 4.Ⅳ 型
- 5.Ⅴ 型
- 解答を見る 解答:4
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- 第 71 問
- 膀胱留置カテーテルの写真を図に示す。
成人女性に膀胱留置カテーテルが挿入されている場合、体内に留置されている長さで最も適切なのはどれか。 - 解答を見る 解答:3
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- 第 72 問
- Aさん(60歳、男性)は、胃癌(gastric cancer)の手術目的で入院した。大動脈弁置換術を受けた既往があり、内服していたワルファリンをヘパリンに変更することになった。
確認すべきAさんの検査データはどれか。 - 1.PT-INR
- 2.赤血球数
- 3.白血球数
- 4.出血時間
- 5.ヘモグロビン値
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- 第 73 問
- 膀胱癌(bladder cancer)のため尿路ストーマを造設する予定の患者への説明で適切なのはどれか。
- 1.「尿道の一部を体外に出して排泄口を造ります」
- 2.「尿意を感じたらトイレで尿を捨てます」
- 3.「ストーマの装具は毎日貼り替えます」
- 4.「ストーマに装具を付けて入浴します」
- 5.「水分の摂りすぎに注意が必要です」
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- 第 74 問
- 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)で正しいのはどれか。
- 1.光熱費は自己負担である。
- 2.12人を1つのユニットとしている。
- 3.看護師の配置が義務付けられている。
- 4.介護保険制度の施設サービスである。
- 5.臨死期は提携している病院に入院する。
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- 第 75 問
- Aちゃん(3歳、女児)は、病室で朝食を食べていた。そこに、医師が訪室して採血を行いたいと話したところ、Aちゃんは何も答えず下を向いて泣き始めた。その様子を見ていた看護師は、Aちゃんは朝食を中断して採血されるのは嫌だと思っているようなので、朝食後に採血して欲しいと医師に話した。
この看護師の対応の根拠となる概念はどれか。 - 1.アセント
- 2.コンセント
- 3.アドボカシー
- 4.ノーマライゼーション
- 5.ノンコンプライアンス
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- 第 76 問
- 3か月の乳児の親に対する問診で適切でないのはどれか。
- 1.「寝返りをしますか」
- 2.「あやすとよく笑いますか」
- 3.「物を見て上下左右に目で追いますか」
- 4.「アーアー、ウーウーなど声を出しますか」
- 5.「腹ばいにすると腕で体を支えて頭を持ち上げますか」
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- 第 77 問
- 萎縮性腟炎(atrophic vaginitis)に伴う状態について正しいのはどれか。
- 1.性交痛
- 2.白色の帯下
- 3.腟壁の肥厚化
- 4.腟の自浄作用の亢進
- 5.エストロゲン分泌の増加
- 解答を見る 解答:1
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- 第 78 問
- うつ病(depression)で入院している患者が「自分は重大な過ちで皆に迷惑をかけてしまいました。死んでおわびします」という妄想を訴えた。
この患者にみられるのはどれか。 - 1.罪業妄想
- 2.心気妄想
- 3.追跡妄想
- 4.被毒妄想
- 5.貧困妄想
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- 第 79 問
- 訪問看護師が人工肛門を造設して退院した在宅療養者を訪問すると「便が漏れるため外出ができない」と相談を受けた。観察すると、ストーマパウチの面板が皮膚に密着していない。
看護師の対応で適切なのはどれか。 - 1.無菌操作で交換する。
- 2.頻回に交換するよう説明する。
- 3.面板を温めて皮膚に貼付する。
- 4.面板を人工肛門より小さめに切る。
- 5.腹壁の皮膚を寄せて面板を貼付する。
- 解答を見る 解答:3
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- 第 80 問
- トリアージタグを装着する部位の優先順位で適切なのはどれか。
- 1.頸部→右手→左手→右足→左足
- 2.頸部→左手→左足→右手→右足
- 3.右手→右足→左手→左足→頸部
- 4.右手→左手→右足→左足→頸部
- 5.左手→右手→左足→右足→頸部
- 解答を見る 解答:4
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- 第 81 問
- 立ち直り反射に関与するのはどれか。2つ選べ。
- 1.視細胞
- 2.コルチ器
- 3.圧受容器
- 4.化学受容器
- 5.頸筋の筋紡錘
- 解答を見る 解答:15
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- 第 82 問
- ヒト免疫不全ウイルス<HIV>の感染経路で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.感染者の嘔吐物との接触
- 2.感染者の咳による曝露
- 3.感染者の糞便との接触
- 4.感染者からの輸血
- 5.感染者との性行為
- 解答を見る 解答:45
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- 第 83 問
- 慢性腎不全(chronic renal failure)によって起こるのはどれか。2つ選べ。
- 1.低血圧
- 2.低リン血症
- 3.低カリウム血症
- 4.低カルシウム血症
- 5.代謝性アシドーシス
- 解答を見る 解答:45
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- 第 84 問
- 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律に定められているのはどれか。2つ選べ。
- 1.離婚調停の支援
- 2.成年後見制度の利用
- 3.保健所による自立支援
- 4.婦人相談員による相談
- 5.裁判所による接近禁止命令
- 解答を見る 解答:45
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- 第 85 問
- パルスオキシメータによる経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>の測定に適した部位はどれか。2つ選べ。
- 1.背部
- 2.上腕
- 3.指先
- 4.耳たぶ
- 5.大腿部
- 解答を見る 解答:34
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- 第 86 問
- Aさん(60歳、男性)は、転倒して第5頸椎レベルの脊髄を損傷した。肩を上げることはできるが、上肢はわずかに指先を動かせる程度である。呼吸数22/分、脈拍86/分、血圧100/70 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>97%であった。Aさんは「息がしづらい」と言っている。
Aさんの状態で適切なのはどれか。2つ選べ。 - 1.低酸素血症(hypoxemia)がある。
- 2.胸郭運動がみられる。
- 3.無気肺(atelectasis)を起こしやすい。
- 4.腹式呼吸を行っている。
- 5.閉塞性換気障害(obstructive ventilatory impairment)を起こしている。
- 解答を見る 解答:34
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- 第 87 問
- Aさん(35歳、女性、会社員)は、動悸、手指の震え及び体重減少があり、受診したところ、頻脈と眼球突出とを指摘され抗甲状腺薬の内服を開始した。Aさんは看護師に「仕事のストレスは寝る前にビールを飲むことで解消するようにしているが、ちょっとしたことでイライラして眠れない」と話した。Aさんへの説明で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1.「仕事を休みましょう」
- 2.「禁酒する必要があります」
- 3.「積極的に運動しましょう」
- 4.「発熱したときは受診してください」
- 5.「病気が原因でイライラしやすくなります」
- 解答を見る 解答:45
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- 第 88 問
- Aさん(42歳、女性)は、2週前から腰痛と坐骨神経痛とを発症し整形外科で処方された鎮痛薬を内服している。帯下が増えて臭いもあるため婦人科を受診し、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)と診断された。
進行期を決めるためにAさんに行われる検査で適切なのはどれか。2つ選べ。 - 1.ヒトパピローマウイルス検査
- 2.小腸内視鏡検査
- 3.腎盂尿管造影
- 4.脊髄造影
- 5.CT
- 解答を見る 解答:35
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- 第 89 問
- 児の免疫に関する説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.胎児期は胎盤を通じて母体からIgG を受け取る。
- 2.出生後は母乳からIgM を受け取る。
- 3.生後3か月ころに免疫グロブリンが最も少なくなる。
- 4.1歳ころから抗体の産生が盛んになる。
- 5.3歳ころにIgA が成人と同じレベルに達する。
- 解答を見る 解答:13
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- 第 90 問
- 500 mLの輸液を50 滴/分の速度で成人用輸液セットを用いて順調に滴下し、現在80分が経過した。
このときの輸液の残量を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
解答:① ② ③ mL
① 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
② 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
③ 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 - 解答を見る 解答:300
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次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(64歳、女性)は、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)で通院加療中である。 1週前から感冒様症状があり市販薬を服用し経過をみていたが、呼吸困難を訴えた後、反応が鈍くなり救急車で搬送された。Aさんは肩呼吸をしており、発汗が著明で口唇は乾燥している。体温38.3 ℃、呼吸数35/分、脈拍108/分、血圧96/70 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>89%であった。ジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅱ-30。動脈血液ガス分析では動脈血酸素分圧<PaO2>60 Torr、動脈血炭酸ガス分圧<PaCO2>68 Torr、pH 7.29 であった。-
- 第 91 問
- この時点でのAさんのアセスメントで誤っているのはどれか。
- 1.脱水である。
- 2.意識障害がある。
- 3.アシドーシスである。
- 4.ショック状態である。
- 解答を見る 解答:4
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- 第 92 問
- Aさんは肺炎(pneumonia)による急性呼吸不全と診断され、点滴、膀胱留置カテーテルの挿入および気管内挿管が実施された。
このときのAさんの観察で最も注意すべき状態はどれか。 - 1.乏尿
- 2.血圧上昇
- 3.末梢冷感
- 4.下肢の浮腫
- 5.呼吸音の減弱
- 解答を見る 解答:5
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- 第 93 問
- Aさんは、胸部エックス線写真で右中下肺野の浸潤影が認められ、膿性の痰が吸引されている。
このときの体位ドレナージで最も効果的なのはどれか。 - 1.右30°側臥位
- 2.左30°側臥位
- 3.右前傾側臥位
- 4.左前傾側臥位
- 5.腹臥位
- 解答を見る 解答:4
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次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90 mmHg と尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgA が高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。-
- 第 94 問
- 確定診断のために必要な検査はどれか。
- 1.腎生検
- 2.尿細胞診
- 3.腎血管造影
- 4.腹部超音波検査
- 5.腎シンチグラフィ
- 解答を見る 解答:1
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- 第 95 問
- AさんはIgA 腎症(IgA nephropathy)と診断され、塩分1日6gの減塩食が開始された。入院前は塩辛いものが好物で外食が多かったAさんは「味が薄くて食べた気がしない。退院後も続けられるかな」と話している。
このときの対応で最も適切なのはどれか。 - 1.「つらいですが慣れてきます」
- 2.「最初に甘いものを食べてください」
- 3.「各食事で均等に塩分を摂取しましょう」
- 4.「酸味や香味を利用するとよいでしょう」
- 5.「市販のレトルト食品は塩分が少ないので活用するとよいです」
- 解答を見る 解答:4
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- 第 96 問
- Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5 ℃、脈拍98/分、血圧238/112 mmHg であった。血液検査データは、尿素窒素100 mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb 7.1 g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。
直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。 - 1.輸血
- 2.血液透析
- 3.利尿薬の内服
- 4.胸腔ドレナージ
- 5.降圧薬の点滴静脈内注射
- 解答を見る 解答:25
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次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(94 歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎(pneumonia)で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。-
- 第 97 問
- 入所時の身長170 cm、体重50 kg。1か月間で体重が3kg減少した。血液検査データは、血清アルブミン3.2 g/dL、CRP 0.1 mg/dL。反復唾液嚥下テストは30秒間で4回である。
Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。 - 1.流動食が必要である。
- 2.炎症反応が続いている。
- 3.認知症(dementia)による摂食行動の問題がある。
- 4.タンパク質・エネルギー低栄養状態<PEM>である。
- 解答を見る 解答:4
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- 第 98 問
- 介護老人保健施設の看護師は、入所時にAさんと妻と面談をした。
このときの面談内容で適切なのはどれか。 - 1.自宅の改修を提案する。
- 2.ベッド上安静の必要性を説明する。
- 3.急変時の救急搬送の希望を確認する。
- 4.通所リハビリテーションの利用を提案する。
- 解答を見る 解答:3
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- 第 99 問
- 入所後3日。Aさんは「家では朝起きてすぐに歯磨きをして、口の中をすっきりさせて1日が始まった。ここでは、歯磨きは食後に介助すると言われたが、私は嫌だ」と言い、不満な様子である。Aさんはベッドから車椅子への移乗に介助が必要であるが、歯ブラシとコップとを用いて自分で歯磨きができる。
このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。 - 1.朝食前の歯磨きは効果がないと説明する。
- 2.朝食前の歯磨きの習慣を変更するように勧める。
- 3.朝食前の歯磨きの援助方法をAさんと相談する。
- 4.朝食前は職員が少ないので対応できないと謝罪する。
- 解答を見る 解答:3
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次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
A君 (6歳、男児)は、昨日午後から今朝にかけて5回の下痢便がみられ、体温が38.0 ℃であったため祖母と受診した。経口摂取は昨日の昼食が最後である。便の簡易検査の結果、ノロウイルスによる胃腸炎(gastroenteritis)と診断され、個室に入院した。入院後、末梢静脈ラインが左手背に留置され持続点滴が開始された。両親は同様の症状があるため面会できない。祖母が帰宅した後、A君は顔をしかめ、側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしている。バイタルサインは、体温37.5 ℃、呼吸数36/分、心拍数120/分であった。-
- 第 100 問
- このときのA君に行う看護として最も適切なのはどれか。
- 1.起座位をとらせる。
- 2.食事の開始を検討する。
- 3.好きな玩具で遊ばせる。
- 4.痛みの程度を評価する。
- 5.解熱鎮痛薬を服薬させる。
- 解答を見る 解答:4
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- 第 101 問
- A君は病室内のトイレで排泄をしていた。看護師はマスク、手袋およびエプロンを着用しA君の排泄介助を行っていると、下着に便が付着していることに気付いた。看護師は、すぐにA君の下着を脱がせ流水で便を洗い流した。
下着の処理の方法で正しいのはどれか。 - 1.病室内のゴミ箱に捨てる。
- 2.病室内でエタノールに浸す。
- 3.病室内で次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸す。
- 4.病室外の汚物処理室の感染性廃棄物用の容器に捨てる。
- 解答を見る 解答:3
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- 第 102 問
- 入院後3日になったが両親は来院できない状況が続いている。A君は下痢が改善し体温も下がり笑顔がみられるようになった。看護師が清拭しながらA君と話していると「僕がお母さんの言うことを聞かなかったから病気になっちゃったんだ」と話した。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。 - 1.「お母さんが悲しむからそんなことを言ってはいけないよ」
- 2.「気持ちは分かるけれど病気になったのはA君のせいではないよ」
- 3.「A君の言うとおりだとすると入院している子はみんな悪い子なのかな」
- 4.「お母さんの言うことを聞いていたら病気にならなかったかもしれないね」
- 解答を見る 解答:2
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次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
Aちゃん(生後5か月、女児)は、出生時、腟の後方に瘻孔があり、腸内容物が排出され、低位鎖肛(anal atresia with a low lesion)と診断された。他に奇形は認められず、瘻孔は腟と尿道に交通していなかったため、体重増加を待って会陰式肛門形成術を行う予定とされていた。Aちゃんは順調に体重が増加しており、定期受診のため来院した。-
- 第 103 問
- 受診時の観察項目で優先度が高いのはどれか。
- 1.活気
- 2.腹部膨満
- 3.腹部腫瘤
- 4.チアノーゼ
- 解答を見る 解答:2
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- 第 104 問
- Aちゃんは、定期受診の1か月後、予定どおり会陰式肛門形成術を行った。術後2日、1日に6回の排便があり、造設された肛門周囲に発赤がみられている。
排便後の対応で最も適切なのはどれか。 - 1.石けんで洗浄する。
- 2.微温湯で洗浄する。
- 3.お尻拭きシートで拭き取る。
- 4.ポビドンヨードで消毒をする。
- 解答を見る 解答:2
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- 第 105 問
- 術後2週、全身状態や創部の状態が安定し、肛門拡張のためのブジーが開始された。退院後もブジーを継続するため母親に指導を行うことになった。
ブジーの指導で正しいのはどれか。2つ選べ。 - 1.「食後は避けてください」
- 2.「腹臥位で行ってください」
- 3.「できるだけ深く入れてください」
- 4.「排便があった日は行わなくてよいです」
- 5.「直腸の向きに沿ってゆっくり入れてください」
- 解答を見る 解答:15
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次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
Aさん(20歳、女性、大学生)は、最近、同じ大学に所属するパートナー(21歳、男性)との性交後に白色帯下が増えた。外陰部に腫瘤はみられず搔痒感や痛みはないが、時々、下腹部に痛みがあった。Aさんは性感染症<STD>(sexually transmitted disease)を疑い、1人で産婦人科クリニックを受診した。診察時の体温36.8 ℃、脈拍62/分であった。-
- 第 106 問
- Aさんの状態に最もあてはまる性感染症<STD>(sexually transmitted disease)はどれか。
- 1.性器ヘルペス(genital herpes)
- 2.尖圭コンジローマ(condyloma acuminatum)
- 3.腟トリコモナス症(vaginal tricomonas infection)
- 4.性器クラミジア感染症(genital chlamydiosis)
- 解答を見る 解答:4
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- 第 107 問
- Aさんは「彼とは交際を続けたいので、性感染症<STD>(sexually transmitted disease)のことは黙っていてもよいですか。今日、相談に来たことも彼には話していません」と看護師に話した。
Aさんに対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。 - 1.パートナーには話さなくてもよいと伝える。
- 2.パートナーに来院を促す電話をすると伝える。
- 3.Aさんが通う大学の保健センターの看護師に相談するよう勧める。
- 4.性感染症<STD>(sexually transmitted disease)に罹患したことをAさんからパートナーに伝えるよう勧める。
- 解答を見る 解答:4
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- 第 108 問
- Aさんは医師から「パートナーにも感染の可能性があるので性交渉をしないように」と説明を受けた。Aさんは看護師に「パートナーとはいつから性交渉をしてもよいですか」と相談した。
性交渉を再開する時期の説明で正しいのはどれか。 - 1.処方された内服薬をAさんが飲み終えた後
- 2.Aさんの性感染症<STD>(sexually transmitted disease)の症状がなくなった後
- 3.パートナーが性感染症<STD>(sexually transmitted disease)の検査を受けた後
- 4.Aさんとパートナーの性感染症<STD>(sexually transmitted disease)の治癒が確認された後
- 解答を見る 解答:4
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次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8 ℃、脈拍64/分、血圧126/70 mmHg であった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140 bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。-
- 第 109 問
- この時点でのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
- 1.胎児頻脈
- 2.前期破水
- 3.分娩第1期
- 4.妊娠高血圧症候群(pregnancy-induced hypertension)
- 解答を見る 解答:3
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- 第 110 問
- 午後2時30 分、Aさんは3,300 g の女児を正常分娩した。分娩時の出血量は200 mLであった。産褥3日、体温37.0 ℃、脈拍76/分、血圧118/60 mmHgであった。血液データは、Hb 11 g/dL、Ht 35 % であった。子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露がみられた。乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっている。
看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。 - 1.鉄分の多い食事を勧める。
- 2.子宮底に冷罨法を行う。
- 3.乳頭のケアを行う。
- 4.授乳を中止する。
- 解答を見る 解答:3
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- 第 111 問
- 産褥4日、Aさんの体調は回復し、退院が決定した。夫に連れられて来た長男が赤ちゃんを珍しそうに見ている。Aさんは退院後に長男の退行現象が現れることを心配している。
Aさんへの説明で適切でないのはどれか。 - 1.「長男と2人きりになる時間をつくるようにしましょう」
- 2.「長男と一緒に赤ちゃんのおむつを交換しましょう」
- 3.「長男にしっかりするように話しましょう」
- 4.「長男をほめて安心させましょう」
- 解答を見る 解答:3
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次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
Aさん (42歳、男性)は、全身倦怠感を訴え病院を受診したところ、肝機能障害が認められ内科に入院した。Aさんは大量飲酒を長期間続けており、アルコール依存症(alcohol dependence)が疑われた。内科医からの依頼で精神科医が診察をしたときは、Aさんは意識清明で見当識障害はなかった。妻とは不仲であり、半年前に仕事で大きなトラブルがあったため、朝から飲酒するようになり飲酒量はさらに増えていた。-
- 第 112 問
- Aさんに認められるのはどれか。
- 1.病的酩酊
- 2.妻との共依存
- 3.コルサコフ症候群(Korsacoff syndrome)
- 4.アルコールに対する耐性
- 解答を見る 解答:4
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- 第 113 問
- 入院後2日、夜間にAさんは「壁や布団に虫がたくさんいる」と訴え、興奮して眠らなかった。
考えられるのはどれか。 - 1.振戦せん妄
- 2.アルコール幻覚症
- 3.レム睡眠行動障害
- 4.急性アルコール中毒(acute alcohol intoxication)
- 解答を見る 解答:1
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- 第 114 問
- その後、薬物治療によって興奮は改善した。肝機能も改善し、夜間もよく眠れるようになったため、退院が決定した。
Aさんに対する退院時の説明で適切なのはどれか。2つ選べ。 - 1.「仕事は辞めましょう」
- 2.「断酒会に参加しましょう」
- 3.「集団精神療法を受けましょう」
- 4.「飲酒しない日を週1日設けましょう」
- 5.「生活行動を家族に記録してもらいましょう」
- 解答を見る 解答:23
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次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
Aさん (42歳、女性)は、2年前に筋萎縮性側索硬化症<ALS>(amyotrophic lateral sclerosis)の確定診断を受けた。夫( 50歳)と長女 (16歳)と自宅で過ごしている。Aさんは「なるべく口から食べるようにしたい」と話し、食事と併せて胃瘻から栄養剤の注入を行っている。要介護2の認定を受け、訪問看護および訪問介護を利用している。食事の介助を行う夫から、訪問看護師に「介助の方法が良くないのか、妻はうまく飲み込めていません」と相談の電話があった。-
- 第 115 問
- 夫に対する訪問看護師の対応として最も適切なのはどれか。
- 1.「食事の介助に時間をかけましょう」
- 2.「胃瘻からの栄養量を増やしましょう」
- 3.「介助方法に問題があるかもしれません」
- 4.「嚥下食の宅配サービスを頼んでみましょう」
- 5.「飲み込みの状態に応じた食事を一緒に考えましょう」
- 解答を見る 解答:5
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- 第 116 問
- 6か月後、Aさんは呼吸障害と嚥下障害とが進行し、気管切開による人工呼吸療法を開始するために入院した。
退院に向けて病棟看護師が行う家族への気管内吸引の説明として最も適切なのはどれか。 - 1.夜間に定期的な吸引を行う。
- 2.就寝前に体位ドレナージを行う。
- 3.気道内圧が低下したら吸引する。
- 4.吸引時は気管カニューレのカフ圧を上げる。
- 解答を見る 解答:2
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- 第 117 問
- Aさんは要介護5に区分が変更され、自宅で療養通所介護を利用することになった。退院後1か月、Aさんは療養通所介護の看護師に「ゆっくりお風呂に入ってみたい」と文字盤を使って話した。入浴を開始するにあたり、看護師と介護職員との間でカンファレンスを行うことになった。
検討する内容として優先順位が高いのはどれか。 - 1.夫の介護負担
- 2.座位の保持能力
- 3.緊急時の対応方法
- 4.入浴後の人工呼吸器の回路交換の方法
- 5.入浴時の関節可動域<ROM>訓練の実施
- 解答を見る 解答:3
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次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
Aさん( 50歳、女性)は、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)の終末期で入院し緩和ケア治療を行っている。倦怠感は強いが食事は摂れている。麻薬を使用し疼痛のコントロールはできており、ふらつきはあるがトイレ歩行はできる。医師からは余命2か月と告知されており、退院して自宅で最期を迎えたいと希望している。主な介護者となる夫は58歳で、5年前の脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で不全麻痺がある。経済的には安定している。子どもはいない。-
- 第 118 問
- 病棟看護師はAさんと夫とを交えてカンファレンスを行った。夫は「妻は体力がとても落ちて、見ているのがつらいです。病気が進行すると動けなくなると聞きました。私は介護に自信がありません」と不安を訴えた。
Aさんと夫への今後の不安に対する対応として最も適切なのはどれか。 - 1.生活保護の手続きをするよう促す。
- 2.要介護認定の申請手続きをするよう促す。
- 3.家事をしてくれる人を雇用するよう促す。
- 4.訪問リハビリテーションの利用を勧める。
- 解答を見る 解答:2
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- 第 119 問
- 看護師が退院に向けて最も連携すべき職種はどれか。
- 1.理学療法士
- 2.管理栄養士
- 3.介護支援専門員
- 4.保健所の保健師
- 解答を見る 解答:3
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- 第 120 問
- 退院後1か月。訪問看護ステーションの看護師が訪問した際、夫から「妻は痛みで苦しんでいる様子はない。トイレと食事以外は眠っていることが多く、このまま死んでしまうのでしょうか。家で看取ることができるか不安です」と相談を受けた。
夫への支援で最も適切なのはどれか。 - 1.夫に頑張るよう励ます。
- 2.病院に入院するよう提案する。
- 3.麻薬の量を増やすことを提案する。
- 4.Aさんが希望する看取りの場について再度話し合う。
- 解答を見る 解答:4
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2015年度の看護師国家試験は、合格率89.4%、合格者数は55,585人でした。必修問題の合格基準は40点以上/49点、一般問題・状況設定問題の合格基準は151点以上/247点でした。看護師国家試験は、出題基準の改定とともに内容は変わりますが、基本は過去問です。過去問・解答を普段からチェックする癖をつけておくと、過去問・解答の挑戦に改めて時間をとらなくても基礎力を高めることが出来るのでお勧めです。